『ラスト・リベンジ』 ボケ老人諜報員vs難病テロリスト ケイジとウィンディング・レフン、二大ニコラスが組んだらこうなった! [♪akiraのスットコ映画の夕べ] -2,532文字-
『ラスト・リベンジ』(2014/米)
監督・脚本 : ポール・シュレーダー
出演 : ニコラス・ケイジ、アントン・イェルチン
日本未公開映画が大量にあるにもかかわらず、なぜかほとんどの出演作品が劇場公開されているという超強運の男ニコラス・ケイジ! そのケイジ君の”アカデミー賞受賞20周年記念作品”との謳い文句でまたまたロードショー公開となったこの作品、監督と脚本がポール・シュレーダー、製作総指揮がまさかのニコラス・ウィンディング・レフン! 共演は『誰かが私にキスをした』からエイブラムズ版『スター・トレック』までと、大胆な作品チョイスのキャリアまっしぐらなアントン・イェルチン。そして”愛国心の強い復讐者とそのターゲットであるテロリストが、互いに余命わずかな状況で再会を果たす”というあらすじ。この時点ですでにどんな映画なのか全くわかりません!
https://youtu.be/7qf7LUcwdRw
今から22年前、アラブ系のテロリスト、バニール(アレクサンダー・カリム)は、表向きは会社社長のCIA職員エヴァン・レイク(ニコラス・ケイジ)を監禁・拷問していた。レイクの本名を聞き出そうとクリケットのバットで豪打(注:普通もう頭蓋骨が割れてると思うレベル)するバニールに、かたくなに口を閉ざすレイク。耳を切られて絶叫したその時、味方の精鋭部隊が突入して無事救助された。それから着実にキャリアを築いてきたレイクだったが、突入時の爆発後に遺体を確認できなかったバニールはいまだに生きていると信じ、異常とも思える執念で行方を追っていた。
20年経ってもいまだバニールへの復讐心を燃やすレイクは現場への復帰を訴えるが、逆に年齢的に引退を迫られる。さらに最近記憶がおぼつかないことに気づき、偽名を使って遠くの病院に脳の検査に行くと、末期の認知障害でもはや治療の手だては無く、余命は3年ほどだと診断される。いまや居場所の無いCIAだが、彼を慕う唯一の部下ミルト(アントン・イェルチン)だけはレイクの主張を信じ、バニールの行方を追っていたところ、遂にしっぽをつかむ。
実はバニールは地中海貧血という珍しい病気に侵されていた。治療薬の動きをはっていたところ、ルーマニアの連絡員が逃走中に事故で死亡(というか自殺)。薬は彼を通して医師からケニアに送られていたことが判明する。<なんちゅう地道な。
CIA長官に診察結果がバレ、任務継続は不可能であると引退を強要されて、積年の恨みつらみ及びオバマ大統領への悪口まで叫び散らすレイク。結果、バッジを剥奪され、強制的に任を解かれてしまう。しかしそれだけでは済まず、病状悪化で運転すらも禁止。酒浸りになりかけていたレイクの家に、ミルトは情報を携えて訪れる。日本酒をラッパ飲みしながら対策を練り、ミルトの手引きで偽造パスポートを作成し、二人はルーマニアに向かうが、なんとこの時点でレイクははっきりとした作戦を考えていなかったというおそるべき展開。
(残り 1309文字/全文: 2562文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
タグマ!アカウントでログイン
tags: アメリカ アントン・イェルチン ニコラス・ウィンディング・レフン ニコラス・ケイジ ポール・シュレーダー
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ