柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『かぐらめ』 武田梨奈、この手の映画ばっか出てないか?またしても都会で挫折した若者が故郷に帰ってきてお祭りに参加する町おこし映画 (柳下毅一郎)

FireShot Screen Capture #032 - '『かぐらめ』' - kagurame_jp

 

『かぐらめ』

原案・監督 奥秋泰男
脚本 難波望
撮影 岩永洋
音楽 五十嵐宏治
出演 武田梨奈、大杉漣、筒井真理子、黒川芽以、森岡龍、大河内奈々子、朝加真由美、今井雅之、上條恒彦

都留市市政六十周年協賛事業

 

face 山梨県都留市市政六十周年ということで山梨県の総力をあげ、富士急行とか山梨中央銀行までもが協賛して作られた一大都留映画プロジェクトである。監督はCMディレクターで劇場映画初監督となる山梨出身の奥秋泰男。主演には武田梨奈を迎え……てか武田梨奈この手の映画ばっか出てないか? オレこのシリーズをはじめてからやたら彼女の主演作ばかり見てるような気がするぞ!? ともかくそれなりのキャストを集めて、まずまずお金かかってそうな映画なのだが、しかるにストーリーはというとまたしても都会で挫折した若者が故郷に帰ってきてお祭りに参加する話! いいかげん地方vs都会の対立軸を捨てないと、いつまでたってもこのパターンが続くことになるぞ! しかも本作では武田梨奈は父親を憎んで家を飛び出したという過去があるので、最初から最後までしんねりむっつりしてるばかり。せめて町おこしくらい明るくやろうよ!

 

 

東京で介護師として働いている秋音(武田梨奈)だが、夜勤の最中にいきなり手を握ってくるホラーな婆さんを無視。何事もないと処理したが、翌日婆さんは死んでいた。

「何か訴えたいことがあったのかもしれない……わたしのせいで死んでしまった!」

 悩んだ秋音は五年ぶりに故郷都留市に帰る。帰りの電車の中で、母(筒井真理子)が死んだときのことを回想する秋音。それは祭りの日のことだった。父(大杉漣)は病床の母をかえりみず

「母さんのそば、離れるんじゃねえぞ」

 とだけ言いおいて、神楽を舞うために祭りに行ってしまったのだ。さらには母の死後、家を訪れた地元スナックのママ(大河内奈々子)に「もうちょっといてくれよ~」と父が抱きついているところを秋音は目撃してしまう。すっかり父に幻滅し、独立するとすぐに東京に飛び出したのだ。今年は母の十三回忌……ということで家に帰ってくると、そこには亡き母そっくりの女性陽子(筒井真理子二役)がいる!

「あ、わたし、お父様の身の回りのお世話をさせていただいてます」

 どういうことなのよ!?!

 

443f2910ab9081e6c5fb7aa8c00ee84d2

(残り 2485文字/全文: 3479文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

tags: 上條恒彦 五十嵐宏治 今井雅之 大杉漣 大河内奈々子 奥秋泰男 山梨県 岩永洋 朝加真由美 森岡龍 武田梨奈 町おこし 筒井真理子 都留市 難波望 黒川芽以

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック