『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』 ローソンのイケメン店員をペットみたいに飼う妄想?よくもまあこんだけスカスカでゆるゆるの話を書けたもんだと……
→公式サイトより
監督 三木康一郎
原作 有川浩
脚本 渡辺千穂
撮影 板倉陽子
音楽 羽毛田丈史
出演 岩田剛典(三代目J Soul Brothers)、高畑充希、谷澤恵里香、ダンカン、大和田伸也、宮崎美子
有川浩さんは、自分の映像化作品を嫌いな人には「観ない権利を行使してほしい」そうである。俺か? 俺に言ってんのか? てか、そんなうかつなこと言ったら俺とか勇んで観にいくに決まってるじゃねーか! 本当、余計なこと言わなければ見逃したっていいくらいなのに、三代目J Soul Brothersとか出てるどうでもよさそうな低予算のラブコメ……って思いながら見にいったらあまりに何もネタがなくて、さすがの俺も驚いた! よくもまあこんだけスカスカでゆるゆるの話を書けるもんだなあ。さすがにこれは有川浩の責任だと言わざるを得ない。おまえの映画化作品がつまらないのは、映画の製作スタッフじゃなくて、おまえのせいだよ!
河野さやか(高畑充希)は二十三歳の不動産販売業。築三十年、駅から徒歩十五分の2DKで一人暮らしを送っている。会社でもぱっとせず、家ではコンビニ弁当の冴えない日々。そんなある日、さやかは「夢を見たんだ。なんだかわからない夢」
雪が降っている中、缶チューハイを抱えて帰ってくると、アパートの駐車場に凍えて座っている若者がいる。大丈夫ですか?と覗きこむと
「お嬢さん、よかったらぼくを拾ってくれませんか? 噛みません、しつけのできた良い子です」
濡れた子犬のような目をした若者(岩田剛典)をついひろってしまったさやかであった。
翌朝、起きると朝ご飯のいいにおいが……
「おはよう、昨日のこと覚えてる?」
そこには夢で見たイケメンが! 冷蔵庫の残り物から味噌汁とご飯、卵焼きに梅干しと旅館の朝飯的なものを鮮やかに作ってしまう家事力の高いイケメン。
「おいしい……!」
毎日こんなご飯がたべられるんだったら……と感極まったさやか、じゃあ……と出て行こうとするイケメンをつい呼び止めてしまっう。
「あの……行くとこないんだったら、うちに……」
「……じゃあ、六ヶ月間だけ、お世話になってもいいですか? ぼくの名前はイツキ。名字は……秘密です!」
というわけでイツキとさやかのドキドキ同居生活がはじまったのだった……!
ってなあ! これどこからどこまでが夢なんだよ。このままどんどん話が進んでいくので、ひょっとして最初から最後まで全部夢なのか!? 夢落ちなのか??? と混乱することしきり。まあ実際そうであってもおかしくないくらいメルヘンな話なんだが。ともかく夢じゃないなら出会いの場面がキモすぎるし、これが夢で別の出会いがあったのならどういう理屈でイケメンを拾ったのかがさっぱりわからない。恋人なしの二十三歳一人暮らしがホームレスをほいほい家にあげてしまうのか? あるいは夢だから願望充足的なのか……と思うところだが、三十路のできるキャリアウーマンがイケメンをペット的に飼う話なのかと思いきや、二十三歳の仕事のできないOLが料理得意のヒモをひろったら実はそれが王子様だったという話なのである。「ドジで何もできないけどまっすぐで明るい女の子が王子様と出会って……」という王道少女漫画的ラブストーリーらしいんだが、昨今の少女漫画でももうちょっっとマシな出会い考えるよ!
だから、セックスしてないのか? おまえら?
まあしてないらしいんだけどさ。普通二十三歳一人暮らしの女性が男を家に連れこむ、同居するとなったらまずその心配をしないか? なんの取り決めもしないで素性を知らない男を引きこんでセックス抜きの同居とかありえるのか? あまりにヒロインが幼稚すぎるもんで、それにあわせて物語まで幼稚になってないか、これ? 大前提からしてゆるゆるでスカスカじゃないか?
ああ、設定の突っ込みだけでここまで来てしまった。
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