柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『白い帽子の女』 ブランジェリーナの夫婦生活をワイドショー! [♪akiraのスットコ映画の夕べ]

公式サイトより

 

 

白い帽子の女(2015/米)

監督・脚本・主演 / アンジェリーナ・ジョリー・ピット
出演 / ブラッド・ピット、メラニー・ロラン、メルヴィル・プポー

 

 

a04118f84dfeab9445d074c8a49bfc8a270年代のユニヴァーサルのロゴにジョリーの意気込みが。風光明媚なフランスの海岸沿いを、シトロエンのコンバーチブルで疾走するブラピとジョリー夫妻。しかもBGMはジェーン・バーキン・・・という大変わかりやすいフレンチ感あふれるオープニング。終わりに近づいた夏の日差しを浴びて、目的地の海辺のプチホテルに到着し、エンジンを切るとBGMもブツ切れ……って、え?カーステだったの? これ、ギャグの手法だよね??

 

 

というわけで、開始早々なにやら不安になる演出。チェックインした二人は、NYから来た作家のローランド(ブラピ)とヴァネッサ(ジョリー)の夫婦。ここからブラピの、フランス語話せますよ! ほら、作家ですから!アピールの嵐。全身から気だるさ満載のヨメは、これ見よがしなオリヴェッティのタイプライターを設置。サンローランのでかいサングラスを外したジョリーのメイクが明らかにステファーヌ・オードラン感バリバリなのでちょっとびっくり。無造作に置かれたサングラスを置き直す旦那。この描写はその後何度も出てきて、旦那の几帳面というかウザさを表しているようです。細かい!

結婚14年目の夫婦は何やら事情があるらしく、ギスギスした関係が周囲にもバレバレ。新作が書けなくて行き詰まっている夫は、ホテルオーナー(セリフもなくほとんど置物と化しているリシャール・ボーランジェ)と支配人兼バーの店長ミシェル(ニエル・アレストリュプ)を相手に、日がな一日呑んだくれる日々。妻はアンニュイというかメンヘラで、夫との会話もほとんどなく、部屋に引きこもりっきり。ときおり気が向くと、ピアジェのアクセにヴィトンのバッグでオシャレにバゲットを買いに行ったりします。夫婦二人きりにもかかわらず、夫が「君こそ女神だ」「とても魅力的だ」とひたすらヨイショする(ここで忘れてはいけないのが、脚本もジョリー本人)一方で、妻は夫のスキンシップを拒み、ただひたすら気だるくバルコニーでタバコを吸いまくるというシーンが延々続き、とりわけブランジェリーナファンでもない観客の忍耐力が試されます。

そんな二人の隣の部屋にやってきたのが絵に描いたようなピチピチ新婚カップル、レア(メラニー・ロラン)とフランソワ(メルヴィル・プポー)。飲んだくれの夫がいない間、部屋でダラダラしていたヴァネッサは、サイドテーブルで隠されたゴルフボール大の穴に気がつきます。覗いてみると、隣の部屋、しかもベッドの辺りが丸見え。ここから夫に内緒のヴァネッサのワクワク覗きライフが始まるという病んだ設定。どうやら若い二人は子作りのためにヴァカンスに来たらしく、画面上ではボカシが入るくらい励みまくっているため、ヴァネッサは夫不在の間、朝から晩まで地べたに座って穴を凝視することに!

おしゃれでゴージャスでアダルトなお隣の奥さんに覗かれているとは知らない二人は、ヴァネッサの企みで行動をともにするようになります。泥酔で帰宅したローランドは「隣の女とヤりたいの?」とけしかける妻にうんざりしてブチ切れ、ゲロった挙句にキスしようとして殴り合いのケンカとなり、ウザがられた挙句、結局は外のベンチで寝ることに。深読みしてくれといわんばかりの不仲エピソードの連続に、私を含む観客の動揺はいかばかりか!

 

 

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tags: アンジェリーナ・ジョリー・ピット ブラッド・ピット メラニー・ロラン メルヴィル・プポー 洋画

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