『じんじん ~其の二~』 大地康雄が日本の津々浦々を旅しながら行った先で映画を撮るという、まさに悪夢としか言いようのない状況が出現!(柳下毅一郎)
→秦野市観光協会サイトより
監督 山田大樹
企画 大地康雄
脚本 坂上かつえ
絵本作家 あべ弘士
撮影 小松原茂
音楽 吉川清之
出演 大地康雄、福士誠治、鶴田真由、菅野莉央、岡安泰樹、佐藤B作、中井貴惠、須藤正裕、津田寛治、苅谷俊介、永島敏行
→シリーズ第五弾! 『皆殺し映画通信 骨までしゃぶれ』発売のお知らせ
大地康雄企画・主演の地域おこし映画シリーズ! えー、八名信夫の監督主演作『親父の釜めしと編みかけのセーター』のときにベテラン性格俳優の主演映画のことを指摘したわけだが、その中年慰撫映画に町おこし映画が悪魔合体! しかもこれモチーフが『男はつらいよ』なので、大地康雄が日本の津々浦々を旅しながら行った先で映画を撮るというまさに悪夢としか言いようのない状況が出現したわけである。今回の舞台は神奈川県秦野市。手つかずの自然が残る丹沢山系……とか言ってますが新宿から小田急線で一時間。普通に通勤圏だよ! そんなサバービアで林業に青春をかける若者の姿を描くという……
物語がはじまると時代劇のロケ中。城代家老の不正を訴えようとする若侍が家老の手下に追われている。茶店の前で立ち回りになって、よしずがばたんと倒れると、その裏でのんきに弁当を食ってる商人がいる。監督に怒られると謝りもせずにそのまま逃げ出してしまうこの男、無責任一代な旅回りの大道芸人立石銀三郎(大地康雄)である。居候先の市役所職員関根薫(鶴田真由)に頼みこんで映画のロケに参加したり、秦野市のたばこ祭でガマの油売りをやったりでやりたい放題。祭りの最中、自分の口上を聞かずにスマホに見入っている若者に「お兄さん、スマホばっかり見てんじゃないよ!」と声をかけたりする。この若者こと山下哲生(福士誠治)は家出してきたのだが、キャッシュカードが止められており現金を引き出せないでいた。秦野に来たのは、祖父が住んでいて土地勘があったからだという。その後哲生、スーパーの駐車場で歩きスマホしていて銀三郎とぶつかり、それがきっかけで知り合いになる。そこで銀三郎のおせっかいで同じ家に居候することになるのである。ひたすら甘ったれて文句ばっかり言ってて、まったく好感をもてない若者である。
そんな哲生だが、無駄飯食ってばかりもいられないので室井林業でアルバイトすることになる。そこで出会った林業に青春をかける森ガール戸田尚子(菅野莉央)から
「丹沢が育てたヒノキは上質で、すごく評価が高いのよ」
書籍版第五弾『皆殺し映画通信 骨までしゃぶれ』発売のお知らせ
(残り 1440文字/全文: 2558文字)
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