柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『ハッピーメール』 出会い系サイトPRの秋葉原映画!もう秋葉原というだけで利権の匂いしかしなくなってきた (柳下毅一郎)

公式サイトより

 

ハッピーメール

企画プロデュース 大橋孝史
監督 井上春生
脚本 三澤枝莉佳、大渡佑紀、村川康敏
撮影 大木スミオ
音楽 松本淳一
主題歌 リアルアキバボーイズ
出演 野呂佳代、竹財輝之助、小林涼子、佐野和真、つるの剛士、白石まゆみ、奥村秀人

 

face 製作大橋孝史! というわけで秋葉原映画祭でも上映された秋葉原映画なのだが、もう秋葉原というだけで利権の匂いしかしなくなってきた昨今、本作は「恋に縁のない4人の男女が繰り広げるアンサンブルラブコメディー」。「恋に縁のない」アキバ系の四人がどうやって出会うかというと出会い系サイト! そう、これは出会い系サイトハッピーメールのスポンサードで作られた出会い系サイトPR映画なのである! いやまあ2ショットサイトの広告としてチャットレディ映画を作るのなら、出会い系サイトの宣伝映画を作ったっていい。いいのだが、しかしやはり出会い系サイトの宣伝映画というのはーー公式サイトにメルアドを登録することにすらためらわれる映画というのはさすがにルビコン川を渡った感がある。映画はここまでたどり着いたのだ!

 

 

 

登場人物は四人。歯医者の浩介(竹財輝之助)は鉄道マニアで、クリニック(もちろん秋葉原にある)の帰り道にはテツキャバクラ(お客がテツの話を延々と語りつづけるのを女の子がうんうんと相づちを打ちながら聞いてくれる夢のようなお店)に寄る毎日。スタッフの女の子から言われて出会い系サイトに登録してみるが、歯医者だとわかるとすぐ会いたがる女性陣に「カネ目当てかよ……」とすぐ削除してしまうので誰ともマッチしていない。ネイリストの楓(野呂佳代)はキンプリマニアで、アニメキャラを描く「痛ネイル」を発明して秋葉原では注目の売れっ子ネイリスト。美大時代の同級生たちがみな結婚するのを見て焦った楓は出会い系に登録。取材に来た雑誌記者を「つきあいません?」と逆ナンするくらい積極的な楓だが、毎日のりんご飴が日課というだけにちょっとふっくらした体型が悩みのタネ。りんご飴の割り箸を使って輪ゴムピストルとか作っている。

シン(佐野和真)は地下アイドルユビキタスリリー(ユビキリ)のオタで、推し以外の異性にはまったく興味なし。だが実家から「いいかげん倉庫づとめなんかやめて帰ってきなさい」と言われたのでつい「いや恋人がいるんで……」と言ってしまう。しかたなく登録したのがハッピーメール。OLアスカは無口で地味、引っ込み思案で会社でもハブられ、仕事を押しつけられている。実はバツイチでもある彼女、出会いを求めて……

 

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