柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『ふたつの昨日と僕の未来』 映画で町おこしといっても、故郷を愛する映画作家がみんながみんな大林宣彦ではないというのも事実

公式サイトより

ふたつの昨日と僕の未来

監督 大森研一
脚本 福田卓郎、大森研一
撮影監督 今井哲郎
音楽 佐藤和郎
主題歌 水樹奈々
出演 佐野岳、相楽樹、菅谷哲也、菅野莉央、鶴見萌、久保田悠来、宮地真緒、榎木孝明、神保悟志

1/6(土)本日
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face 愛媛県新居浜市市政八〇周年記念作品。『海すずめ』、『やっさだるマン』など瀬戸内海地方を根城にした海賊のような地方映画活動を続けている地方映画作家大森研一(ちなみに『瀬戸内海賊物語』という作品もあり)、今度の作品は新居浜市の市政八〇周年記念の「ふるさと映画」ということで、新居浜市の全面協力で作られたものである。映画で町おこしの成功体験というと、どうしても尾道市が浮かんできてしまうわけで、この近辺の市町村がこの波に乗りたいと思うのも仕方ないのかもしれない。でも故郷を愛する映画作家がみんながみんな大林宣彦ではないというのも事実。この作品の場合、ファンタジー仕立てが混乱を呼んでしまって、しまいに映画内で辻褄を合わせることすら放棄しているのではないかと思われる。「もともと説明つかないことなんだから」とか言っちゃダメだろ! ファンタジーでもSFでもいいから、もうちょっと真面目に作っていただきたい!

 

 

新居浜市観光課につとめる越智海斗(佐野岳)はかつてはオリンピックもめざしていたマラソンランナーだったが、怪我で競技を断念、以後ふてくされた人生を送っている。ローカルTV局につとめる恋人、矢野真里乃(相楽樹)との関係もズルズル煮えきらず、彼女に手伝ってもらって作った「新居浜市でフルマラソンの国際大会を開催する」という企画書も提出を引き伸ばしている。「オレも怪我さえせんかったらなー」と過去を悔やんでばかりで何もしない。真里乃もさすがにしびれを切らし「あたしって海斗のなんなん?」と距離を置くことを宣言する。そうなってもやけ酒を飲むくらいのことしかできない海斗、べろべろになって義理の弟に連れ帰られる。だがそのころ、祖母(岩本多代)は空を見上げ「あんときと同じ雲じゃ」とひとりごちていたのだった。

 

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