柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『フォルトゥナの瞳』 皆殺し映画2019年の顔となるか? 有村架純、堂々のクソ映画ヒロイン。原作は百田尚樹先生!

公式サイトより

フォルトゥナの瞳

監督 三木孝浩
脚本 坂口理子、三木孝浩
原作 百田尚樹
撮影 山田康介
音楽 林ゆうき
主題歌 ONE OK ROCK
出演 神木隆之介、有村架純、志尊淳、DAIGO、松井愛莉、北村有起哉、斉藤由貴、時任三郎

 

face 最近ろくでもない映画にしか出番がなくて、皆殺し映画二〇一九年の顔になるのではないかと(余計すぎるお世話なことに)よりによってオレから危惧されている有村架純、堂々のクソ映画ヒロインである。原作百田尚樹! こんなもん書いてたんかい、と思うところだが、まあ自己犠牲の精神(と称する愚かしい自爆)とかそういうところで百田尚樹の作家性が発揮されているのかもしれない。それにしてもこの映画、とりあえず予告編を見ていただきたい。

 

 

これを見たらほぼ話がわかってしまう。要するに「フォルトゥナの瞳」という超能力の持ち主は、死にそうな人が薄く半透明に見える。だが、そこで介入して誰かを救おうとすると、その分自分の命が縮んでしまう(なんでそんなことがわかるんだ!)。しかるに主人公はどうやら列車事故で大量死が出るらしいことを知る。そして恋人である有村架純も死の運命にあるらしい。さてそれで、「二人の運命の結末は、秘密にしてください」とか言ってるんだけどさ、いざ映画見たらこれでほぼ話のすべてなんだよ! ここまで何もない話だとさすがにびっくり。原作小説短編……じゃないんだよね? なぜこんな話を映画化しようと考えたのか、そっちのほうが不思議になってくるレベル……

主人公木山(神木隆之介)は二〇年前、飛行機事故で両親を失い、自分ひとり奇跡的に生き残った過去があった。現在は親代わりに育ててくれた遠藤夫妻(時任三郎、斉藤由貴)の元で、遠藤が社長をつとめる自動車修理工場で働いている。飛行機事故がトラウマになり、つねに後ろ向きで積極的に「選択」ができない人間なのだ。携帯を落として画面が割れてauショップに出かけ、美人店員桐生葵(有村架純)に声をかけられても「何かを選ぶのって苦手なんです……」と新機種を選べずにいる。ところがその帰り道、前を歩いている人の手が透明になっているのを目撃する。当人も、周囲の人間もまったく気づいていない様子だ。そのまま後をつけていくと、男はいきなり横から飛び出してきた車に轢かれてギャグみたいに死んでしまう。どういうことなんだ?と困惑した木山だが、理由がわからないんでとりあえず放置。

その後とうとう使えなくなった携帯を交換しに再度auショップに出かけた木山。またしても応対してくれた葵の手が透けているのを見て驚愕する。これはきっと何かあるに違いない、と意を決した木山、勇気をふりしぼって、仕事が終わったあと会ってくれと頼みこむ。駅前の喫茶店で待ち合わせた二人。

 

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