柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『柴公園』 映画が猫のものだと思ったら大間違いだ!ひさびさの犬プロイテーションがやってきた

公式サイトより

柴公園

監督 綾部真弥
脚本 永森裕二
撮影 伊藤麻樹
音楽 沢田ヒロユキ
出演 渋川清彦、大西信満、ドロンズ石本、桜井ユキ、水野勝、松本若菜、寺田農、山下真司、佐藤二朗

 

face 映画が猫のものだと思ったら大間違いだ! ありあまる猫プロイテーションに対抗すべく、犬派の反撃がはじまった! というわけでひさびさの犬プロイテーションがやってきた。元はローカル局発のバラエティドラマらしく、柴犬を愛でるおっさんたちが集まる公園こと「柴公園」(場所は芝公園だったりして!?と思ったら場所は品川区らしく、本当に芝公園にあるのかも)に集う三人のおっさんがだらだらと起伏のないトークをくっちゃべる。で、その映画化である。テレビの方は見ていないのだが、だいたいがこういう「何もないのがいい」的なバラエティを映画にすると無理やり起伏のあるストーリーをつけていろいろ台無しにしてしまう--いわゆる「混沌に目鼻をつける馬鹿」問題が発生するのだが、本作もその点例外ではなく……

 

 

柴犬「あたる」の飼い主である「あたるパパ」(渋川清彦)は大学で苔の研究をする四十代独身男性。苔には夢中だが人間にはまったく興味のない男、唯一の趣味は柴犬「あたる」の世話である。四十代苔研究者には似つかわしくないタワーマンション高層階の広い部屋に一人暮らしの「あたるパパ」、家にはドッグカメラFurbo を置き、通勤時間も研究の合間もスマホで犬の様子を見てはニタニタしている。ある日たまたまペットショップの店頭で出会った「あたる」に一目惚れしてマンションで飼いはじめたのだという。現在「むっちゃ変な人」である友人から預かっているという子犬も連れており、苦労しながら二匹散歩させている。この「むっちゃ変な人」という時点で嫌な予感がしていたのだが、演じるのが佐藤二朗。テレビ電話をかけてきてはクソ面白くもない会話を延々とつづける。

さて、そんな「あたるパパ」には、同じ柴犬オーナー仲間がいる。それが毎日公園で会うじっちゃんパパ(大西信満)とさちこパパ(ドロンズ石本)である。三人でベンチに座り、どうでもいい会話をかわすのが日課となっている。何度かくりかえされるこの場面なのだが、ベンチに横並びに座った三人が喋ってるのを撮るだけだと画面に動きがないと思ったのか、ほぼセリフごとに(あいづちまで含めて)カットを割っていく驚くほど目まぐるしい編集。さらには画面分割までして、落ち着かないことおびただしい。冒頭のこのシーン見ただけで、もうさっさと帰りたく……細かく映像をいじったからって、面白くもない会話が興味深くなるわけじゃないよ!

 

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