『イソップの思うツボ』 あの『カメラを止めるな』製作チームが作った三人監督作品。さて『カメ止め』大ヒットの要因とはなんだろう?
→公式サイトより
監督 浅沼直也、上田慎一郎、中泉裕矢
脚本 上田慎一郎
共同脚本 浅沼直也、中泉裕矢
撮影 曽根剛
出演 石川瑠華、井桁弘恵、紅甘、斉藤陽一郎、藤田健彦、高橋雄祐、桐生コウジ、川瀬陽太、渡辺真起子、佐伯日菜子
“あの『カメラを止めるな』の製作チームが作った”という宣伝コピーが浸透しているのかいないのか、逆に上田慎一郎監督作品であることすら知られていないんじゃないかと思われる寂しさである。とはいえ上田慎一郎監督の『カメ止め』後第一作は実はこれではなく『スペシャルアクターズ』のほうだという。じゃあこの映画はなんなのかというと、『カメラを止めるな』の助監督とスチール担当、それに上田監督の三人が共同監督で作った、『カメ止め』後第一作なのだという。察するに、大ヒットを飛ばして莫大な興行収入を上げながらも、ほとんど還元されなかったというオリジナル・スタッフへの配慮もあったのではないか……そうとでも思わないかぎりまったく理解できないこの三人監督体制。一応、三つの家族が登場するので、それぞれの家族ごとにイニシアチブを取る監督を決めて撮影したのだというが、この分担自体がほとんど意味不明である。オムニバスとかじゃないんだからねえ。別にスムーズに流れるなら三人の演出に何も違いがなかったということになるし、特定のシーンだけが目立つならそれはそれでなんでそんなことをやったのかという話になる。まったく無意味なのである。
さて『カメ止め』大ヒットの要因はなんだろう? いろんな理由をあげる人がいるだろうが、一番注目されたのはやはり、前半に語った話を別な視点で語り直すことで新たな真相が浮かび上がるという構成の妙だろう。当然ながらヒットの要因を分析した上で作られた本作も同じような構成を取っている。だがこれがね……別に語り直すだけの映画なんていくらもあるわけで、そこで陳腐な「真相」を語られたところでつまらない時間が二倍に増えるだけのこと。さてこの話、どんな「真相」があるのかというと……
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