『Tokyo 24』こんな映画は見たことない。モナコ国際映画祭で主要五部門を獲得した待望の最新作
『Tokyo 24』
製作総指揮・原作・脚本 寺西一浩
監督 寺西一浩、Cin_Calve(軽部進一)、岡田主
撮影監督 岡田主
出演 寺西優真、キム・グァンス、葉加瀬マイ、五代高之、長谷直美
昨年度モナコ国際映画祭で主要五部門を獲得した寺西一浩監督待望の最新作。これまでにもまして独自の映画作法が駆使され、ストーリーも一筋縄ではいかず、まさに誰も見たことのない映画と言うべきだ。スタッフは監督が三人クレジットされ、岡田主は撮影も兼ね、その他ポストプロダクション一切を軽部進一(Cin_Calve)がやっていたりで、ほぼこの三人による自主映画と考えるべきなのかもしれない。
見ていて最初に驚くのはスワイプによる画面遷移。いや横ワイプなのだが、ザシュッという音が入るし、印象としてはあきらかにスマホ画面のスワイプである。場面転換のたびに、ザシュッ、ザシュッと二回(あるいは三回)東京の街角を移す風景ショットが入り、それからおもむろに次の場面。律儀に繰り返されるんだが、これはいったいなんだろう? まあ、東京映画だというアピールなんだろうが、こんな映画は見たことないと言わざるをえない。
さて、映画がはじまる。
episode 4
えっ! なんでNew Hopeなのかわからないが、ともかくepisode 4である。2030年、二期目を迎えた女性都知事東條真知子(長谷直美)の目玉政策は特捜チームT24。AI刑事青島(寺西優真)を中心に、日本語の怪しい蓮(キム・グァンス)、シングルマザーの由紀(葉加瀬マイ)というダイバーシティあふれるメンバーで、東京の治安を守る特捜チームである。AI刑事って何? ここにも低予算映画界を席巻するAIブームの影。これ、ホームページを確認したら蓮が元自衛隊員だったり、由紀が元ホステスだったり、映画の中ではまったく語られない設定が次々出てきて驚いた。てっきり蓮、韓国人かなにかかと思ってたよ。そして肝心のAI刑事青島、オンラインでつながっていて検索したり、ロボットダンスみたいなぎこちない動きをしたりしてるんで、てっきりアンドロイドか何かだと思っていたのだが、ホームページによれば、
『TOKYO24』に登場するAI刑事(SPO)。AIとして誕生する前は警官(東條剛)だったが事件で殉職してしまう。
母である都知事・東條真知子の命令で科学者・西村によりAIとして再誕生し『青島』と名乗る。 AI刑事として抜群の能力を持っているのはもちろん、目がカメラ機能になっており中継映像として事件現場を放送出来、 内蔵されてる「生態認識メモリーチップ」を通じて、相手の体(主に死体)に触れるだけで、 どのような薬物で死亡したか(致死量の測定)、死後どれだけ経っているか等の具合を自動的にわかる。 人間の限界を超える捜査が行える。
ってロボコップだったのかよ! 都知事が息子を亡くした話はでてきたが、まさかそれがAI刑事になっていたとは!
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