柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『記憶屋 あなたを忘れない』 よくもまあこれで感動の泣き映画になると思ったのかと逆に感心するクソオブクソ案件

公式サイトより

記憶屋 あなたを忘れない

監督 平川雄一朗
原作 織守きょうや
脚本 鹿目けい子、平川雄一朗
撮影 小松高志
音楽 高見優
出演 山田涼介、芳根京子、佐々木蔵之介、蓮佛美沙子、泉里香、田中泯、杉本哲太、櫻井淳子、戸田菜穂、ブラザートム、須藤理彩、佐生雪、濱田龍臣

 

タイトルからして『記憶屋 全部忘れたい』、『記憶屋 作ったことを忘れたい』と出演者こぞって黒歴史にする気満々でしょと言いたくなる雑さだが、もちろん中身もタイトルに恥じることなきクソオブクソ案件。普段こういう映画は監督や脚本家に文句を言うことはあっても俳優の罪は問わないのだが、さすがにここまでひどい映画になるとなんでこんなもんに出ようと思ったのか、その責任を問いたいくらいだ。この話、『エターナル・サンシャイン』でも見て思いついたんだかなんだか、人の記憶を消せる「記憶屋」の存在がなかば都市伝説的に語られているというところからはじまって、主人公が記憶屋をネットで探し、そして記憶屋に出会う。いや本当にこれだけの話なんだよ! よくもまあこれで映画に(それも感動の泣き映画に)なると思ったのかと逆に感心する。

 

 

吉森遼一(山田涼介)はある日いきなり恋人杏子(蓮佛美沙子)にふられてしまう。プロポーズした翌日、駅で会ったので「杏子!」と声をかけたら「すいません、どちらさまですか?」と不審者対応、駅員まで呼ばれる始末。普通だったら「ふられたのか……」と思うだろう。だが遼一は「これは都市伝説に伝わっている記憶屋の仕業に違いない」と確信し、ネット掲示板で情報を探しはじめる。遼一がそう思い込むのも理由がないわけではない。広島で共に育った真希(芳根京子)は今でも毎朝起こしに来るような漫画にしか出てこないような元気で快活な「幼馴染」なのだが、実はかつて連続幼女誘拐殺人事件にまきこまれたことがあった。だが、彼女はその記憶を完全に失っているのである。トラウマもなくすくすく育った真希、これは記憶屋に事件の記憶を消されたせいではないのか? それにしても身近に二人も記憶屋の犠牲者がいるっておかしくないか? それって推理ドラマだと当然主要登場人物の誰かが……いやそういう先読みはしない。やったら駄目。負けだから。だからあくまでも都市伝説と思われている記憶屋の存在をネットで探る、という方向で行きます。

 

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