柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『踊ってミタ』 過疎に悩む町が町おこしのために「踊ってみた」動画を作る……。 「踊ってみた」ってそういうものなの? それでいいと思ってるの? これ何かおもしろい要素があるの?

公式サイトより

踊ってミタ

監督・脚本 飯塚俊光
撮影監督 伊藤俊介
音楽 40mP、加藤史崇、小島一郎
振付 めろちん
出演 岡山天音、加藤小夏、武田玲奈、中村優一、横田真悠、ルー大柴、川原瑛都、えんどぅ、松浦祐也、ふせえり、やついいちろう、有馬和樹、中島ひろ子

 

過疎に悩む町が町おこしのために「踊ってみた」動画を作る……誰に見せたいんだ、こんな映画?ってオレか!と予定調和的ノリツッコミをせざるを得ない案件。しかしこれ見ていて本当に悩んだんですけど「踊ってみた」動画ってなんなんですかね? ぼくはてっきりアニメのオープニングやらアイドル曲やら、ふりつけがあるのを完コピする動画のことなのかと思っていたのだが、オリジナルでいろんな曲を「踊ってみる」ほうが今ではあたりまえなのか。それにしたって、この映画だと最後どこぞの体育館かなんかにしつらえたステージで、役場の観光課の面々が次々に舞台で踊る役所の演芸大会みたいなことになって、それをYouTubeで中継してアクセスが何千とか言ってるんだけど、「踊ってみた」ってそういうものなの!? そんな演芸大会で町がおこせると本当に思ってるの? それで結果どうなったかというと……

 

 

名物と言っては干し芋だけ、過疎に悩む春野山町のシティプロモーション課につとめる三田(岡山天音)は、「東京の代理店では~」が口癖、何もできないくせにプライドだけは高いダメ公務員である。東京の広告代理店に勤めていたのだが、夢やぶれて故郷に帰ってきて、業界人風を吹かせている。もちろんそんなことは同僚の真鍋(武田玲奈)にはお見通しだ。ちなみに武田玲奈、大きすぎる眼鏡に髪パッチンをいっぱいつけるみたいな目一杯ダサい格好をしているが、どんなに頑張っても変な格好している可愛い娘ちゃんにしか見えないので、東京から来た三田の先輩だけが彼女の真価に気づく……みたいな展開が嘘くさすぎてね……センスのかけらもないプレゼンテーションをしていた三田を見かねた真鍋が「踊ってみたでもやってみれば?」と提案すると、やる気のない二世町長(中村優一)が乗ってきて、町の名所を背景にした「踊ってみた」動画を作ることになる。

とりあえず踊ってくれる人がいないと……というのでツイッターで募集をかけるが、来たのは老人(ルー大柴)と孫、それに変な外国人(えんどぅ)だけ。見かねた真鍋に「妹が踊りやってるから紹介しようか?」と、自立支援施設で踊りのインストラクターをやっているヤンキー女ミネタ(横田真悠)を紹介される。このメンバーでビデオを撮るのだが、そもそも何を踊るのかとか振り付けをどうするかとかまったく考えず、世にもバラバラな踊りをただ撮ってつなげただけ。「踊ってみた」ってそういうものなの? それでいいと思ってるの? これ何かおもしろい要素があるの?

 

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