柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『いざなぎ暮れた。』 吉本の地域映画戦略に地方映画のマドンナ武田梨奈が加わり、さらにはモナコ国際映画祭、沖縄国際映画祭・・・と、みごと皆殺し満貫映画!

公式サイトより

いざなぎ暮れた。

監督・脚本・編集 笠木望
撮影監督 原俊介
音楽 栗谷和代
出演 毎熊克哉、武田梨奈、青山フォール勝ち(ネルソンズ)、岸健之助、和田まんじゅう(ネルソンズ)、奥村隼也、山口提樹、小池澄子

 

第17回モナコ国際映画祭出品作(撮影賞、主演男優賞受賞)。第11回沖縄国際映画祭出品作。つまり配給・宣伝吉本興業。島根県松江市美保関町発の地域発信型映画。そして主演は皆殺し映画通信永世ヒロインたる武田梨奈となれば本ブログにおいてはすでにして満貫、これを見ずして何を見るというすべての要素が揃った一本である。オレと美保関町民以外に興味を持つ人がいるのかどうかはわかりませんが、個人的にはこんな映画の誕生を見られただけでこの仕事が報われた気持ちですね!

吉本の「地域発信型映画」というのはいわゆる地方創生案件。内閣の地方創生事業と連携し、地方の魅力を打ち出すローカル・ブランディングの試みとして映画を製作する。

「自分たちが住む街のさまざまな魅力を全国に伝え、地域を活性化させたい」という地元への熱い想いを映画を通して実現するプロジェクトです。

制作ノウハウを持った吉本興業がバックアップし、地域住民の皆様には、脚本や出演など、映画制作全般に参加していただき、もの作りをすることの楽しさ、喜び、そして地元への愛を改めて共有していただければと考えています。

地域発信型映画 (吉本興業)

吉本の有名芸人も安く使えまっせ! 勉強させてもらいます! 本作にはネルソンズの青山フォール勝ちが松江市出身のよしみもあって出演。さらにこれに加えて吉本興業には「住みます芸人」という一大プロジェクトも存在する。若手芸人を一、二年地方に住まわせ、ギャグの開発や地方振興のイベントに協力したりさせるというもの。当然映画と組むわけで、本作には島根県住みます芸人の奥村隼也も出演している。いろんな意味で吉本の地域映画戦略の粋というべき一本である。さてそこに地方映画のマドンナ武田梨奈が加わって……

 

 

二〇一八年十二月三日、元新宿ナンバー1ホストのノボル(毎熊克哉)は愛車ダッジ・チャレンジャーを駆ってはるばる島根県松江市美保関町までやってきた。ノボルは三歳のときまでここで暮らしていたが、両親の離婚により父親とともに東京に引っ越したのだ。ちょうど町についたタイミングで電話があり、怖いアニキから一時間後の十二時期限で金を振り込めと迫られる。おおこれってひょっとしてリアルタイム映画なの!? と一瞬期待したんだが、もちろんそんなことはなく、ダラダラと時間は過ぎていく。

 

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