柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『Revive by Tokyo24 series』演技ってなんだろう、映画はどこからはじまるのだろう?と哲学的なことを考えはじめてしまう始末。これが映画のゼロメートル地帯なのか

Revive by Tokyo24 series

製作総指揮・監督・原作・脚本 寺西一浩
撮影 外山国義
音楽 長濱勇太、大野裕己
出演 寺西優真、山本裕典、ギュリ(KARA)、大沢まみ、宍戸マサル、風見しんご、SIZUKU

 

 

寺西一浩監督渾身のAI刑事モノTokyo24シリーズのスピンオフ作品が劇場公開前にDVDで登場。もちろん第17回モナコ国際映画祭脚本賞受賞(あの心霊喫茶「エクストラ」~より優れた脚本と評価された!)の本作、本当なら劇場でかけたかったろう。だが昨今の情勢もあり、『17歳のシンデレラ 東京ボーイズコレクション~エピソード2~』、『TOKYO 24』と合わせてのDVDリリースが決まったので、このままDVDスルーで我慢、となったらしい。映画館で見られないのは残念だが、寺西作品がTSUTAYAのレンタルで気楽に見られる状況ができたとも言えるんで、みなさまぜひ摩訶不思議な寺西ワールドに触れていただきたい。

 

 

さて、本作は『Tokyo24』シリーズのスピンオフ作品。そして『Tokyo24』でロボコップ刑事を演じた寺西優真主演で、『Tokyo24』の五年前、2025年が舞台……となればそうです! AI刑事青島メイキング、つまり彼が殉職してロボコップとして甦るまでのストーリーです! ということがわかれば別に見なくったっていいんだけど、そこは寺西ファンとしては見ないわけにはいかないわけで……

舞台は2025年の東京。警視庁捜査一課の刑事、後藤晴彦(山本裕典)と東條剛(寺西優真)は一人暮らしの女性の自殺現場に呼ばれる……というストーリー一行目からアレなんだけど、そもそも自殺現場にまっさきに殺人課の刑事が呼ばれるってシチュエーションあるわけ? 自殺現場の家、驚くほどにものが置いてなく、生活感のかけらもない。現場に来た後藤、「思った以上に整頓されてるな」とか言ってるが、そんなレベルじゃなくて貸しスタジオを何もしつらえないでそのまま撮ってるようにしか見えないっつーの! さらに言えば捜査一課の刑事部屋、キッチンとバーカウンターがある前の円形テーブルに座ってる時点で料理教室借りたのかって感じだし取り調べする場所はブックカフェのバックヤードみたいなスペース。自主映画にしたってここまでセットに気を使わない映画も斬新だ!

一方、死んだ女こと田村と直前まで連絡しており会う約束もしていた謎の女安藤(ギュリ)は、AIについてのテレビ討論会番組の収録現場に向かう。AIの進化と社会に与えるインパクトというこの映画の問題意識を論じてるつもりの場面だが、ほぼエキストラレベルの人が次々に発言する地獄絵図。特別出演の「ジュリアナの祟り(現エナツの祟り)」というバンド、AI化について訊ねられても普通に「配信がメインになってく時代だからこそ、我々はお客さんとの接触を大事にしたいです」とか語ってて、なんで出てきたのかさっぱりわからないんだが、まあ寺西監督の知人なんですかね……

 

 

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