柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『今日から俺は!!劇場版』 もちろん福田雄一だからテレビサイズのまったく面白くもクソもないお笑いを満載。一から十までいかにも福田クオリティのジャパニーズ・ブロックバスター

公式サイトより

今日から俺は!!劇場版

監督・脚本 福田雄一
原作 西森博之
撮影監督 工藤哲也
撮影 各務真司
音楽 瀬川英史
出演 賀来賢人、伊藤健太郎、清野菜名、橋本環奈、仲野太賀、矢本悠馬、若月佑美、柳楽優弥、山本舞香、泉澤祐希、栄信、柾木玲弥、じろう、長谷川忍、猪塚健太、愛原実花、鈴木伸之、磯村勇斗、ムロツヨシ、瀬奈じゅん、佐藤二朗、吉田鋼太郎

 

西森博之作『週刊少年サンデー』掲載のヤンキー・コミックを、2018年、福田雄一が日テレ系列でテレビドラマ化。で、満を持しての(というか既定路線だったのであろう)映画化というわけである。もちろん福田雄一だからテレビサイズのまったく面白くもクソもないお笑いを満載なのだが、やはり映画にするからには派手なアクションも必要では、となったのかハイローの向こうをはってヤンキー抗争劇が入ってくる。で、なぜかCGを使ってバレット・タイムもどきのカメラぶんまわしが盛り込まれているのだが、まあこれがショボいのなんの。一から十までいかにも福田クオリティのジャパニーズ・ブロックバスターというやつである。エンド・クレジットに並ぶ製作委員会に参加した日テレ系全国テレビ局の名前を見てると気が遠くなりそう。

 

 

さて、もともと福田雄一のコミック映画は漫画的誇張をそのまま映像化(ファッションとか髪型とかをそのまま再現する)し、脈絡のないギャグの積み重ねだけで映画内時間を埋めるのを特徴にしている。結果必然的に生まれるのが1)キャラクターが無駄に多く 2)ストーリーに起伏がない まんが映画である。コミックそっくりのキャラクターを全部並列に出せばコミックファンも満足するだろう、というわけ。たしかに30分のテレビ番組なら変な格好した人たちが順に出てきておもしろくもないギャグをやるだけで間が持つのかもしれないが、2時間の映画には意味もプロットもキャラクターアークも必要なのだよ! だがしかしそれよりも橋本環奈のブリっ子演技が見たいというファンの声にこそ応える、それが福田流映画作法。そういうわけでもともとTVシリーズのときから無駄に多かったと思われるキャラクターずらり並んで再登場し、楽しい同窓会ごっこをくりひろげる。

物語の舞台は80年代ツッパリ全盛時代。軟葉高校の金髪男三橋(賀来賢人)は卑怯な手段で勝つ卑怯男(……と紹介されるのだが、映画の中では別に卑怯でもなんでもなかった。口だけ?)、頭を突っ立たせた相棒の伊藤(伊藤健太郎)は頑固者で正直。ただし、今回の主役はこの主人公コンビではない。舞台は不良の巣窟開久高校。ここに隣町の北根壊高校が間借りすることになる。校舎が火事で全焼してしまったからというのだが、この北根壊高校が開久高校をうわまわる不良高校で、番長の大嶽(栄信)と副番の柳(柳楽優弥)の力でたちまち学校をシメてしまうのだ。開久高校の不良たちは「智司(鈴木伸之)さんと相良(磯村勇斗)さんさえいてくれたら……」と学校から消えた番長を恋しがっている。実はこの二人、三橋&伊藤コンビとの抗争に敗れて学校から消えていたのである。

 

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