柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『サイレント・トーキョー』 まさかの超展開で最後ゲラゲラ笑いっぱなし。こんな映画作ってる、電通 is OverでみなさんHappy Chirstmas!

公式サイトより

サイレント・トーキョー

監督 波多野貴文
原作 秦建日子
脚本 山浦雅大
撮影 山田康介
音楽 大間々昂
エンディングソング Awich
出演 佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊、中村倫也、広瀬アリス、井之脇海、勝地涼、毎熊克哉、加弥乃、金井勇太、野間口徹、財前直見、鶴見辰吾

 

「聖夜に、絶望を」「TOKYO IS OVER」って新型コロナの予言かよ! こう言われて見に行くマゾな人がどれだけいるかわからないのだが、見てみたらあっとびっくり、まさかの超展開で最後ゲラゲラ笑いっぱなしであった。いや本当。なんでこんなことになったのか、つらつら惟るに、どうも原因はクライマックスとして用意された渋谷スクランブル交差点での大爆破テロである。これもちろん宇都宮に作られたオープンセットのスクランブル交差点で撮影されているわけだが、どうもここが使えるから爆破をクライマックスにしようというほうに目が向いて、そっちばっかり懸命になった結果、動機とか犯人とか謎とかそういうミステリーにとって大事だったはずのことがどうでもよくなってしまったんじゃないかという……いやそうとでも思わないとこれね……

 

 

2020年12月24日。トーキョー。12:00AM。正午。恵比寿の某ショッピングモールに爆弾をしかけた、という予告電話がテレビ局に入り、ニュースショーのディレクターはアルバイト(井之脇海)を連れてやってくる。「どうせいたずらだよ。なんならラーメン賭けるか? ちなみにおれはいたずらだってほうな」「えーうっそー」とか言いながらちんたらやってきた二人組。と、そこで二人に声をかけるのはクリスマスツリー前のベンチに座っている中年女性(石田ゆり子)。

「ちょっと!テレビ局の人ですよね。中継してるんですよね。ここに座ってください! 今すぐ!」

その迫力に負けてベンチに座ってしまったディレクター。

「あっじゃあ立たないでください。重さが30キロ以下になったら爆発する仕掛けなんです」

 

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