柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『空蝉の森』 のりピーこと酒井法子、過去のある大人の女性を熱演!しようと思ったところで意味不明映画が誕生。やりたい放題柄本明も帰ってきた! 

公式サイトより

空蝉の森

監督 亀井亨
脚本 亀井亨、相原かさね
撮影 中尾正人
音楽 野中“まさ”雄一
主題歌 大黒摩季
出演 酒井法子、斎藤歩、金山一彦、池田努、長澤奈央、角替和枝、西岡徳馬、柄本明

 

のりピーこと酒井法子、衝撃の覚醒剤取締法逮捕は2009年。謹慎後に芸能界復帰し、2014年に撮影したはいいが制作会社が倒産してお蔵入りになっていたといういわくつきの作品である。それが一人お蔵出し映画祭として七年越しでついに公開。こういう映画、まだまだ世の中に眠っているのかと思うと胸が熱くなるというか映画の未来に夢も希望も絶え果てるというか。そういう経緯で作られた映画だけに、のりピーも女優として一皮むけたところを見せたいと過去のある大人の女性を熱演! しようと思ったところまではよかったが制作過程で関係者の思惑がいろいろあっちこっちにさまよったらしく最終的に監視カメラがどこを向いてるのかさっぱりわからない、ラリってんのか!と言いたくなるような意味不明映画が誕生してしまった。この場合、いちばんラリってる感あるのはもちろん柄本明ですが。みなが見たかったやりたい放題柄本明が帰ってきた! そういうわけで。

 

 

夜明けの町を裸足で歩いている女性。警察に保護された女性は「家に帰る」と言う。彼女は三ヶ月前に行方不明になり、失踪届を出されていた加賀美結子(酒井法子)であった。警察に家まで送り届けられた結子(「運転免許で身元は確認しましたので……」)を、夫昭彦(斎藤歩)は驚き顔で迎え入れる。この三ヶ月のことを訊ねられた結子は「わからない。何も覚えていない」とにべもない。戸惑いながら淡々と結子の世話をしている昭彦だが、「喜んでないんだ」と文句を言われてしまう。話しているうちに疑問をいだいた昭彦。

「おまえ誰だ。結子じゃないだろ!」
「……なんか悲しい……」

 答えになってないよ。翌日、呼び出されてやってきたのが生活安全課失踪人担当の假屋警部(柄本明)! 待ってましたの柄本明節全開である。

 

(残り 2002文字/全文: 2894文字)

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