柳下毅一郎の皆殺し映画通信

【無料記事】▽ [今週の殺し屋日記] 柳下毅一郎の3/18~3/24

●3/18(月)
朝、イマジカにてAntiviral試写。デヴィッド・クローネンバーグの息子ブランドン・クローネンバーグ監督作品。最後に想像を絶するキモいオチがついて、だいぶ評価があがった。しかし、どうしてもダンカン・ジョーンズと比較したくなってしまうね。

夜、青山葬儀場で梅本洋一氏の葬儀。

 


 

 

●3/19(火)
京王百貨店新宿店で開催中の寺門ジモンのフードパークに出かける。お目当ては焼肉スタミナ苑の絶品モツ煮込み。最初一杯890円というので「高っ!」と思ったのだが、食べてみると、これは、たしかに……モツの臭みがまったくないのは当然として、いくつもの部位のモツがそれぞれに違う味ではっきり尖り、なおかつ全体として見事なハーモニーが……あたかもすばらしいアンサンブルを奏でるバンドのようであった。

その後有楽町スカラ座で『プラチナデータ』。ガラガラすぎ。

 


 

●3/23(金)
渋谷でファスビンダーustream。ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督畢生の超大作『ベルリン・アレキサンダー広場』公開記念で、キノハウス1Fのカフェ・テオからustreamトークをする。渋谷哲也、粂田文、石橋英子というメンバー。ちなみにぼくのいちばん好きなエピソードは第十話です。エヴァの家のありえないセットとか、エヴァとミーツェのやりとりとか、何もかも最高だ!

 


●3/24(土)
京橋フィルムセンター展示室の〈西部劇の世界〉展でギャラリー・トーク。てっきりギャラリー内でポスターを見ながらぶらぶら歩いて喋っていく感じなのかと思っていたのだが、もっとかっちりしたトークだった。トークの中身はわりと基本的な内容になってしまったけれど、まあ場所柄……

ちなみにぼくのトークはマカロニ・ウェスタンの歴史と美学ということだったんだけど、展示では『リオ・ブラボー』のポスターがたいへん格好良かった。コピーが七五調で、こんな感じ。

やぶれ帽子に赤いシャツ
拳銃使いの渡り者
ベビイ・フェイスの早手射ち
リオ・ブラボーの朝まだき
流れ行くーー
トラムペットの戦慄に
生命を賭ける男三人

西部劇はアメリカの股旅ものなんですなあ。

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