「ノンフィクションの筆圧」安田浩一ウェブマガジン

ドキュメント6.19 滂沱と咆哮 — 「戦い」を強いられる沖縄

参加者6万5千人の怒り

 19日午後、米軍属による女性暴行・殺人事件に抗議する「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾! 被害者を追悼し、海兵隊の撤退を求める県民大会」(主催・辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議)が那覇市の奥武山(おうのやま)陸上競技場で開催された。

 参加者は約6万5千人(主催者発表)。

 以下は炎天下のもとに進行した「6・19ドキュメント」である。

 12時00分 会場となった奥武山陸上競技場のゲートが開く。入場開始。開会まで2時間あるというのに、すでに会場に隣接した駐車場には車が長蛇の列となる。那覇市中心部から会場につながる国道58号線は断続的な渋滞。

 12時30分 気温は32度。モノレール奥武山公園駅から会場まで、人の列が続く。駅前のコンビニは飲料品を求める人でにぎわう。会場ではすでに、木陰や壇上に向かって最前列などの「一等地」が参加者で埋まる。『北海道新聞』、『東京新聞』など県外紙の記者の姿も数多く見受けられた。

 12時45分 会場周辺で右翼団体の街宣車が「街宣走行」。パトカーが追尾。

 「左翼、売国奴」などと会場に向かう参加者を威嚇する。

 「あなた方はプロ市民だ!」

 コワモテの街宣右翼も、用いる言葉が「ネトウヨ化」してきた。

 13時00分 会場前では各団体がビラ配り。主催者側は「怒りは限界を超えた」「海兵隊は撤退を」と書かれたプラカードを参加者に配布。『琉球新報』、『沖縄タイムス』の地元2紙の社員らも、「県民大会特別号」を無料で配った。

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