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【無料記事】安田浩一出版情報 『外国人差別の現場』6月13日発売!

『外国人差別の現場』(朝日新聞出版

安田浩一 著/安田菜津紀 著

人権を奪い、時に命をも奪う――誰が侮蔑と憎悪の“石”を投げるのか。
絶望を量産する“差別政策”の実像、この国に漂う“差別意識”の正体に迫る。

 病死・餓死・自殺が相次ぐ入管での過酷な実態、時給400円の縫製工場、戦前の「特高警察」の流れをくむ暴力、繰り返される実習生への性的虐待、「外国人=犯罪者」の心理、ウトロ地区放火とヘイトクライム、
ネット上にあふれる偏見と嘲笑の視線、差別や偏見を煽る政治家たち、“なかった”ことにされる歴史……
日本は、外国人を社会の一員として認識したことがあったのか。
「合法」として追い詰め、「犯罪者扱い」してきた外国人政策の歴史。憎悪の標的となり、無知と無理解がもたらす“ヘイト”の惨状。
日本社会が内に抱える「差別の現場」を徹底取材。一貫して続く「管理」「監視」「排他」の実態を暴く渾身の作。

【もくじ】

第1章 絶望と死の収容施設――安田浩一
ハマースミスの誓い/〝全件収容主義〞という病/放置された朝鮮人/〝なかった〞ことにされる痕跡
内務省の「置き土産」/引き継がれる特高体質/朝鮮人の「自殺」「自殺未遂」/「絶望」をつくり出す工場

第2章 人の死に向き合えない組織――安田菜津紀
崩れていく「国」/日本語のみのアナウンス/繰り返される施設内での死/「君は生きがいを感じていますか」
最終報告書の矛盾/「医療体制の不備」としたい入管/職員たちの差別的言動/「強者」の視点で編んだ報告書の限界

第3章 ウィシュマさんの故郷を訪ねて――安田菜津紀
死を照らすために/癒えない悲しみ/突然の死の知らせ/崩れる「保安上の理由」/森友学園公文書改ざんにも重なる構図
〝犯罪者扱い〞という偏見/入管法政府案の廃案に見た希望/私たちが問われている

第4章 「悪意なき差別」の暴走
・コロナ禍で露見した差別

日常にあふれる〝非常時ヘイト〞/行政による外国人の〝選別〞/韓国の外国人政策/〝日本モデル〞への批判/差別を煽る政治家たち/「日本語わかりますか?」
・差別と暴力の「入管」の実態
「国の玄関」での高圧的態度/「誰か、アレをなんとかしろよ」/組織によって奪われる人間性/入管法〝改悪〞案への抗議
政治を動かす熱量/警察よりも「怖い」/日本に漂う〝アウェイ〞の空気/「マクドナルドに行きたい」

第5章 搾取と差別に苦しむ労働者たち――安田浩一
「労働法違反のデパート」/時給400円の縫製工場/国際交流を謳った〝犠牲の制度〞/反戦運動家の後ろ姿/21世紀の奴隷労働/売り上げ750円の婦人服
砂上の「レタス王国」/「おやつ代・5千円」/追い込まれた末の「孤立出産」/罪に問うことのおかしさ/1万円の性的虐待/〝ビジネス〞の道具にされる実習生

第6章 憎悪の向こう側にある風景
・無自覚なメディアの存在
「不法滞在者」という言葉/「外国人=犯罪者」の決めつけ/嫌韓番組は〝愛情〞?/「ひろしまタイムライン」問題
・追い詰められる「技能実習生」
劣悪な労働環境/「疑似家族」の演出/女性差別にもつながる判決/ありえない就業規則/実習生への性暴力/職場での暴行事件/娯楽として機能するヘイト
・歴史修正とヘイトスピーチ
〝外国人に乗っ取られる〞というロジック/朝鮮人労働者の動員/否認される歴史/日本人へのヘイトスピーチ?
ウトロ地区放火事件の現場/ナチスとヘイトスピーチ/〝自警団〞結成の動き /差別の先の殺戮と暴力

 

あとがきからの一部抜粋がAERA.dotでお読みいただけます。

「オカアサン、シンダヨ」難民の一言から始まった言葉の交流 人権なき日本の外国人政策に静かに抗う人々の物語

 朝日新聞出版のウエブショップやお近くの書店で、ぜひ手にお取りください(2022年6月13日発売)。

 

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