肝心なところでやり切れない。フィニッシュに至る過程で、判断と精度が足りなかった [Lカップ2節 仙台戦レビュー]
今季初めて中盤を逆三角形から三角形に変形させたのは、先週の2試合で課題として出たビルドアップを効率良く進めるための方策だ。ボランチでコンビを組んだ中町公祐とダビド・バブンスキーが交互にレシーバー役を務め、トップ下の吉尾海夏は相手のボランチと最終ラインの中間ポジションをキープ。両サイドバックの下平匠と山田康太もインサイド寄りに立って中盤に厚みを加えていくことで、ボールキープ率ではマリノスがベガルタ仙台を圧倒した。
能動的な理由の配置変更だが、結果的に相手との噛み合わせも吉と出た。3バックを採用する仙台は守備時に両ウイングバックが下がって5-4-1の陣形を作る。マリノスは相手の3バックに対して1トップの伊藤翔がギャップを生み出し、中盤でも数的優位を保てていた。前半はピッチ中央付近で攻撃を組み立てながらサイドへ展開していく流れでユン・イルロクとイッペイ・シノヅカが惜しい場面を何度も作った。
しかし、肝心なところでやり切れない。フィニッシュに至る過程で、判断と精度が足りなかった。幾度となくチャンスを作ったが決定打を放てなかったシノヅカは「チャンスはあったけど決め切れなかった」と唇を噛んだ。両ウイングは良い形でボールを受けることができていただけに、最終局面で形を示せなかったのは個の問題が大きい。
38分に相手が一人退場すると、図らずも数的優位の状況に。しかしマリノスにとっては結果的にゲームが難しくなった。一人少ない仙台は5-4-0にシステムを変更。「本来ならば3ライン作りたいが、2ラインにしてシャドーが飛び出す、あるいはウイングバックが出て行くという判断をした」(渡邉晋監督)。マリノスは最終ラインと中盤の底ではノープレッシャーの状態でボールを扱えたが、次のシーンに移ると守備ブロックを下げた仙台を攻めあぐねる。
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