「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

中澤佑二も「ポゼッションしているのか、ポゼッションさせられているのか」と厳しい表情で話した [J7節 広島戦レビュー]

 

マリノスの先制ゴールとサンフレッチェ広島の同点ゴールは、ほぼ同じ類のシチュエーションから生まれた。パスの出し手の位置と角度こそ違うものの、受け手がエリア内にするすると侵入し、少し遅れて対応したDFに背後から倒されると主審はすかさず笛を吹いてペナルティスポットを指さした。そもそもファウルかどうか怪しいプレーだが、判定基準に一貫性があったのは間違いない。

スコア上は“行って来い”の関係で、むしろ先制できたという点でマリノスは精神面で優位に立っていた。ビハインドを背負ったのは先制を許した側の広島のはずだから、この判定に異議を唱えるのはナンセンスというもの。主審が違えば判定は異なるだろう。深く考える必要のないシーンと言っていい。

 それよりも問題は前半3本、後半2本に終わった物足りないオフェンスだろう。前節の川崎フロンターレ戦から中2日の強行軍のため、先発を3選手入れ替えて臨んだ。今季リーグ戦初先発となった右サイドバック・金井貢史は前方のオリヴィエ・ブマルと試合で縦関係を形成するのが初めて。さらにトップ下の吉尾海夏はこの試合がリーグ戦初先発。コンビネーションに不安があるのは承知の上で、コンディションを優先した采配である。

「このサッカーにおいては距離感が一番大事」と中町公祐は言う。ピッチ上の全員が正しい立ち位置にいなければ、ボールは効果的に回らない。この試合では攻撃が左サイドに偏りがちで、右サイドはあまり機能しなかった。ブマルはボールを受けた際のターンなど良化をうかがわせるシーンもあったが、単独で局面を打開するタイプではなさそう。昨季まで在籍していたマルティノスのように、あえてサイドで1対1をさせるのが得策とは限らない。ブマルに代わって右サイドで途中出場した大津祐樹も「一人ひとりの距離感が遠く感じた」と述懐しており、サイドにボールが入った際の距離感とコンビネーションに課題を残した。

 

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