勝ち点3を積み上げていくには、状況に応じた戦いも必要に [J8節 神戸戦レビュー]
マリノスは立ち上がりから攻めに攻めた。控えめなパフォーマンスの相手を尻目に、狙いとするポゼッションを展開し、前節・サンフレッチェ広島戦の反省を生かしてフィニッシュで攻撃を終えていく。前半の序盤こそシュートを打ち切れなかったが、途中からは攻撃をシュートで終えて被カウンターのリスクも回避。さらにシュートは決定機が多く、ゴールは時間の問題かに思えた。
前半45分間でシュート10本は悪くない数字と言える。内訳を見ても、最低でも決定機が4回はあった。21分、オリヴィエ・ブマルが伊藤翔とのワンツーから左足を振り抜く。40分、左サイド奥のスペースに侵入した天野純のグラウンダークロスに合わせたのは遠藤渓太。43分に遠藤のパスに反応した伊藤がゴールを狙い、45分にはダビド・バブンスキーのスルーパスに抜け出した遠藤が再びシュートを放っている。
前半の内容を振り返り、選手からはポジティブなコメントが多く聞かれた。伊藤は「点が入っていないので100点ではないけど、形としては悪くないシーンもあった」とチャンスがあったことを認めている。チーム全体の決定力不足と言えばそこまでで、相手もゴールを決めさせまいと必死に戦っている。だからゴールを決めるのは難しいわけで、圧倒的な個人能力を有する選手がいない以上、この日のようにチャンスの数を増やすしか道はない。
問題はそこからである。決め切れずに相手のカウンターを食らって失点する、という流れはサッカーのある意味で王道だ。ポゼッションやシュート数、決定機の数に反比例して、数字で劣っているチームが勝ち点3をまんまと得る。これもまたサッカーの常で、否定されるものではない。その背景に作戦や戦略があるのだとしたら、なおさらであろう。
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