「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

6試合ぶりの勝ち点3の価値は、練習グラウンドの明るい雰囲気からも明らか。中町公祐は「この前勝った意味を失わないためにしっかり戦わなければいけない」 [J12節 磐田戦プレビュー]

 

スコア上は3-0の完勝を収めた鹿島アントラーズ戦だが、アンジェ・ポステコグルー監督は満足した素振りを一切見せない。「ポゼッションのところで相手を圧倒することはできなかった。そこはもっと成長しなければいけない。結果は結果なので3-0が適正なスコアかどうかは分からないが、パフォーマンスをもっと上げることができるのは間違いない」とあくまで内容のブラッシュアップを求め、ミーティングでも選手にそうした趣旨を伝えたようだ。

 一方で5試合勝ちなしという状況において、選手が勝ち点3を渇望していたことも理解している。「結果が出ていないと信念がブレる可能性がある。ハードワークして球際で戦うことをやってくれた」。体を張った守備をベースに無失点でしのいだことが勝ち点3獲得の最大の理由だった。マリノスらしさを発揮しての勝利で、指揮官はその勝ち方を受け止めながらも「でも毎週それに頼ることはない」とあくまで自らの信念を貫いた。

監督の考えは選手も理解している。センターバックとして奮闘している金井貢史は「ダサくても勝たないと」と前置きした上で「鹿島戦の内容は全然ダメ。今年のスタイルでやっていく以上、満足できない」と振り返る。結果と内容の二元論ではない。ただ、状況や展開によって狙いとするサッカーができない場合もある。現時点ですべての対戦相手を圧倒するだけの完成度はなく、タレント不足なのだから仕方ない。

それならば、勝ちながら内容を求めていくべきだろう。今のスタイルを体現する上で、自信というファクターは必要不可欠。そして鹿島とジュビロ磐田はまったく違うチームで、当然のことながらゲーム展開も変わってくる。鹿島のプレッシャーの速さと強さはリーグ屈指だから、明日の試合では体感として相手のプレッシャーが弱く感じられるはず。自分たちが狙いとする主体的なサッカーを貫ける。さらに守備時に5バック気味になる相手にはほぼ間違いなくポゼッションで優位に立てる。明日はマリノスがボールを持つ時間が長くなるだろう。

 

 

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