「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

誰にゴールマウスを守らせるか。ポステコグルー監督と松永成立GKコーチのマネジメントが気になる[ルヴァンカップ6節 仙台戦レビュー]

 

 

両チーム合わせて32本(マリノス14本、ベガルタ仙台18本)のシュートが飛び交う乱打戦から合計6ゴールが生まれた。それもそのはず、決定機は手元で数えただけでも15回以上あったのから、まったく不思議なスコアではない。両チームの決定力がもっと高ければ、スコア以上の大量得点・大量失点になっていたかもしれない。

マリノスにとって厳しかったのは、常に後手を踏む展開を強いられたこと。序盤こそポゼッションで優位に立ってゲームの主導権を握ったものの、そのタイミングで得点やフィニッシュに持ち込めないと、一転して相手の反攻を食らう。攻撃に人数を割いているぶん自陣には危険なスペースが広がり、相手のシンプルな攻撃に手を焼く。今季ここまでに何度も見てきた失点パターンである。

35分に失点し、その4分後の39分に相手のクリアミスを拾ったオリヴィエ・ブマルが同点弾を叩き込んだのは良かった。失点から間もなく同点に追いつき、チームの士気は上がる。逆転に向けて、あるいは後半戦に向けて流れを引き寄せたかに思えた。しかし、同点に追いついた4分後に再び失点。1-2と1点ビハインドでハーフタイムを迎えることに。得点直後に失点して追い上げムードに水を差す。これも今季の悪癖の一つだ。

キャプテンマークを巻いて中盤の底で奮闘した中町公祐は、試合を振り返り「今日は失点でリズムを崩したところもあった」と話した。サッカーに置いて得点や失点が試合の流れを置きく左右するのは言うまでもないが、今のスタイルは失点による精神的ダメージがとてつもなく大きい。スコア推移で後手を踏むと、挽回するのが困難になる。

その失点についてだが、同じ形の失点などない。誰か一人の責任でもないだろう。ただしGK杉本大地の「誰かのせいにするつもりはないし、言い訳するつもりもない。全部、自分が防げた失点だった」という言葉も真実に近からず遠からず。どんなピンチでもGKがストップできれば大きな傷にならず、ピンチの原因となったミスもクローズアップされない。

 

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