「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

特別指定選手・長澤和輝(専修大)-すでに準レギュラークラスの力、小野裕二の穴を埋められる人材

 

長澤和輝がプレーすべき場所

一人の練習生から、背番号を与えられている特別指定選手としての練習参加へ。長澤和輝の立場は少しだが、しかし大きく変わった。

26日、専修大学・新4年生の長澤がマリノスの練習に参加した。オフ明けの二部練習だったが長澤は大学との兼ね合いで午前中の練習のみ参加。表情から内面を読み取ることは難しく、どちらかといえば宮崎キャンプのとき同様に少し堅い顔つきに見えなくもない。それが実際のプレーになるとプロ顔負けの動きを見せる。昨シーズンの練習や今年2月の宮崎キャンプに参加した経緯があるとはいえ、まったく違和感がないのはレベルの高さゆえに成せる業だろう。まるでずっとチームにいるかのように自然にプレーするから不思議だ。

長澤について下條佳明チーム統括本部長はこのように語った。

「キャンプを見ていて思ったのは、狭いエリアでもターンして前方に向かってプレーできるということ。ヘッドダウンしないし、ボールを失わない。ドリブラーでもパサーでもないけど、相手を引きつけて、ボールをさばいて、自分も出て行ける。大学リーグを見ていてもシュートは相手GKをしっかり見て決めることができる。大人のサッカーができる選手で、ウチに向いているプレーヤーだと思う」

 淡々とした口調ではあったが、内容は“絶賛”に等しい。すでに正式オファーを送っているのも頷ける評価である。
では、コーチングスタッフの見方はどうか。現場の長である樋口靖洋監督はこのように表現する。

「なんというか、しなやか。ガチガチしていないし、ガチャガチャしていない(笑)。プレーもそうだけど、頭の中もそうだと思う。だから判断を変えられる。そのへんが魅力。攻撃的なポジションならどこでもできる」

 抽象的な発言であることを監督自身で笑っていたが、とても的を射た表現に思う。柔軟性に富み、戦術理解度が高いのは宮崎キャンプを見ていても明らか。樋口監督もまた長澤のポテンシャルに惹かれた一人のようだ。では指揮官は特別指定選手である彼をどのように扱う考えなのか。

「特別指定というのはいい制度だと思うし、長澤もチームもお互いがレベルアップできればいい。その中で彼にはチームの一員として競争に参加してもらう。十分できる力を持っているし、チームの戦力として考えられる選手。お客さんではない」

 そう、長澤の実力はもはや特別指定選手の域ではないのだ。「いまでもレギュラーとサブの間くらいの力が

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