松原健や山中亮輔の両サイドバックは手探り状態の日々を過ごしていた。本人たちですら正解や完成形を知らず、暗中模索だった [コラム:松原健の葛藤]
第13節・名古屋グランパス戦前日、松原健は珍しく表立って闘志を燃やしていた。普段は和やかに話す男が、この日だけは様子が少し違った。
「自分としては最近2試合出ていないので、今シーズンのターニングポイントだと思ってプレーする。もう若手ではないし、自分がこのポジションで圧倒的なパフォーマンスを見せなければいけない」
危機感やプレッシャーから来るものなのか、鋭い目線は殺気すら感じさせた。
直近2試合はポジションをルーキーの山田康太に譲っていた。自身は5試合勝ちなしの状況でベンチスタートに回り、山田が本職ではない右サイドバックとして初めてリーグ戦に出場した鹿島アントラーズ戦で、チームは3-0の勝利。つづくジュビロ磐田戦でも山田が先発し、松原に出場機会は訪れず。開幕から主にレギュラーとして試合出場を続けてきただけに、心中穏やかではいられなかった。
3試合ぶりの先発となった名古屋戦で、松原は前半から果敢に右サイドを駆け上がり、チャンスを作った。守備でも集中力高く、鋭い出足でインターセプトを繰り出す。チームとしても個人としても手ごたえを感じられるパフォーマンスだったが、残念ながら試合は1-1の引き分け。終了直後、悔しい気持ちを隠し切れず「この内容でも勝てないのか」と呆然と一点を見つめた。
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