「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「相手が相手だから余計に気合いが入る」(天野)・「フジくん(藤田)には特徴がある」(中村)+藤田・佐藤・兵藤・榎本・冨澤・中澤他 [試合直前インタビュー]-3,085文字-

 

【players voice FW 19 藤田 祥史】

――マルキーニョスの代役というプレッシャーはある?

「プレッシャーは…特にないですね。マルキはあれだけ点を取っているのでどうしても比較されることもあるだろうけど、自分は自分のプレーをするだけ。それでダメだったら、しゃあないでしょ(笑)」

――自分のプレーを説明すると?

「チームのためにプレーすること。前線からしっかりボールを追うこともそうだし、前で体を張って起点になることもそう。甲府戦の前半はポストプレーで収まらずに迷惑をかけた。今度は最初から頑張りたい」

――ゴール以外にも仕事があるということ?

「そうですね。もちろんFWだから結果を出したいけど、まずはチームが勝つことが一番大事。その上で自分もゴールしたい。そのために横からのボールをどんどん要求して、中でしっかり合わせたい」

 

【試合に向けて】
樋口 靖洋 監督

「ここまでは安定した力を出せていると思う。その結果が5連勝でメンタリティはとても充実している。ただコンディションに問題を抱えている選手が何人かいる。天野は甲府戦で90分できたし、内容も良かった。小林は痛みを抱えている部分があるので、そこは悩んでいる。佐藤は機動力がある選手。前へ出ていく動きができて、ボールを触ることでリズムを作れる。ボランチは選手が揃っているのでキャンプから前のポジションもやっていこうと話していた。真ん中やサイドはあまり関係なく2列目でプレーしているし、手ごたえはある。
マルキはウチで一番得点を取っている選手だけど、藤田には藤田の良さがある。僕としてはこの前の甲府戦に手ごたえを感じている。彼は前への推進力を出せる選手。ランニングで流れてサイドに起点を作ることもできるし、ディフェンスラインの裏で勝負できる。横からのクロスにも強さがある。ウチはボールを動かしても裏へ出る動きが少ない。推進力をランニングで出していこうというのはチーム全体の課題でもある。
次に対戦するFC東京はいまのところ好調で去年よりも完成度が高いと感じる。東が加入したことで攻撃のアクセントが増えた。もともとパスワークに優れたチームに、東が入ったことでバリエーションが増えた。マークの受け渡しをしっかりやらないといけないし、ボールの出どころにしっかりプレスをかけることも重要。FC東京はボールを持って動かしてイニシアチブを握るチーム。逆にウチがそれをやりたいし、そのためにはボールを奪うことが重要になってくる。相手のコンビネーションをウチがどれだけ遮断できるか。そのためにも受け身になってはいけない」

 

MF 25 中村 俊輔

「柏、レッズ、広島もそうだけど、FC東京はトータル的に上のチーム。ナビスコの鹿島戦は打ち合いになっていたけど、そうなってはいけない。ウチは守りのチームなので粘り強く守ってから攻めていくことが大事。サイドからボールが入ったときは(渡邊)千真、李、ルーカスあたりが3トップ気味になるので注意しないと。攻め方やボールの動かし方はリーグ1、2位を争うので、明日は挑戦するという気持ちで臨みたい。(阿藤)優平は動き続けて止まらないのがいいところ。相手はマークしづらいから浮くのでそこを使っていきたい。マルキどうこうじゃなくてフジくん(藤田)にはフジくんの特徴があるし、それがハッキリしているからやりやすい。フジくんは特徴があるし、だからMFの選手は点を取りやすいかもしれない。ヘディングに競り合うこともできるので、周りはこぼれ球が来ることも予測できる。前で頑張ることができるのでそれでラクになる部分もある」

DF 27 富澤 清太郎

「注目度の高い一戦になるので個人的にすごく楽しみ。その中でマリノスの強さをしっかり発揮して勝ちたい。ここで勝てば3月は全勝だし、そのまま突っ走りたい。FC東京はボールを動かして、どこかのタイミングで縦に入れてくる。そこをうまく抑えられればウチのペースになると思うし、ウチのショートカウンターが効果的に決まる。東はボールを受ける感覚を持っている。守る側としてはそういう瞬間を意識しながらプレーしなければいけない」

DF 22 中澤 佑二

「いまのFC東京は強い。選手の名前を見ても、ちゃんとした選手が多いし、この能力はかなり高い。その上で組織的にもレベルが高くてコンビネーションもあるから難しいゲームになる。ウチは1対1に負けないことがまず大事だけど、相手のコンビネーションを組織で止めないといけない。東や李やルーカスは前へ追い越していくランニングができて、そのタイミングで(渡邊)千真が降りて相手はギャップを突いてくる。その攻撃にどう対応するかがポイントになる」

GK 1 榎本 哲也

「(渡邉)千真は本当のストライカーという感じ。ウチにいたときはシュートまでの過程のところでうまくいかなかったけど、余計なことをやらせないで点を取るだけなら、いまのペースで年間20点は取ると思う。左右両足で強烈なシュートを打てるし、シュートレンジも広い。ひざ下の振りが速いくて守っている側としては怖い選手。乗せると止めるのは難しい。だから守る立場としては最初の立ち合いでガツンと行くことが大事になる」

DF 4 栗原 勇蔵

「けがはまったく問題ない。もともと何もないから(笑)。グラウンドが硬くて左足のふくらはぎが痛くなったのは本当だけど、全然大丈夫。FC東京は強いから気が引き締まっていいと思う。(渡邉)千真は相変わらずシュートがうまい。簡単じゃないシュートを簡単に決める。噂によればそれ以外も良くなったとか。そうなったらアイツは最強説(笑)。やられたらボンバー(中澤)じゃなくてオレが叩かれるパターン。マリノスのCBは止めて当たり前で、やられたら叩かれる。頑張らないと」

MF 20 佐藤 優平

「相手はコンビネーションがあるチームだし、個々の能力も高い。サイドで試合に出たら守備に回る機会が多くなるかもしれない。そういう可能性も監督の頭の中にはあると思う。だからまずは守備からしっかり入って、無失点を続けているチームの流れを大事にしたい。その上で攻撃に出ていければいい。中に入っていくような動きをすればシュンさん(中村)が自分を見てくれる。ただトップチームでプレーした経験がほとんどないので、試合になってみないと分からない部分はある」

DF 2 天野 貴史

「試合に出たらベストを尽くして頑張るだけ。ナビスコカップの甲府戦で久しぶりに90分間できたのは大きかった。それまでどこか不安があったし、公式戦と練習試合は違うものだから。そういった不安がある中で90分できて、チームも勝つことができた。欲を言えばアシストしたかったけど、まずは守備から入ろうと思っていたし、少しずつ良くなっていきたい。もちろんカップ戦とリーグ戦は違う雰囲気がある。しかも相手は(渡邉)千真や(長谷川)アーリアがいるFC東京で、相手が相手だから余計に気合いが入る」

MF 7 兵藤 慎剛

「いまはチームがうまく回っている手ごたえがある。点を取っている攻撃陣だけではなく、後ろの選手がしっかり守ってくれているから攻撃も良くなる。自分自身が点を取れているのは嬉しいけど、もっとボールに絡んでチャンスを作っていきたい。去年のベースに得点力を上乗せしないといけないし、2列目で出場している限りはゴール数を増やしたい。次のFC東京もそうだけど、これから強い相手と対戦が増えてくる。そこで勝たないとスタートダッシュの意味がない」

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