「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

代理指揮を執るピーター・クラモフスキーヘッドコーチとともに勝利をつかみ、ボスに朗報を届けたい [J17節 FC東京戦プレビュー]

 

「8-2で勝った次の試合だからこそ難しい。8点取ったチームのことは、どの相手でも警戒するはずだから」

 そう言いながらGK飯倉大樹は真剣な表情を崩さなかった。

再開初戦のベガルタ仙台戦を8-2の大勝で飾った。約2ヵ月ぶりのリーグ戦としては、最高のスタートと言っていいだろう。オフェンスに関してはこれ以上ないパーフェクトな結果。2失点して反省が必要なディフェンス面も、勝った試合で次への教訓を得たと思えばポジティブに捉えられる。

ただし油断や慢心は禁物である。仙台との力差が8-2のスコア通りかと言えば、そんなことはないだろう。3バックのチームに対してポゼッションで優位に立てるのは分かっていたが、開始2分で先制した展開は良い意味で想定外。立て続けに追加点を奪えた展開も理想的で、いろいろなことがハマった。

ボランチの扇原貴宏は「自分がプロになってから8点入った試合はなかった」とあえて苦笑い。そうそうない出来事なのだから、周囲は次の試合で期待し過ぎはいけない。特に対戦相手のFC東京は最近5試合無失点と、手堅いサッカーで勝ち点を積み上げている。仙台戦でハットトリックを達成した伊藤翔は「渋い試合になるかもしれない。粘り強く勝ち点3を持ち帰りたい」と気を引き締めた。

その試合に臨む先発11人は仙台戦と変わらない見込み。オフェンス陣はそれぞれが持ち味を発揮し、ゴールに絡んだのだから当然だろう。ベンチに座る7人もおそらく変わらない。仮にロースコアで焦れる展開になった時は、攻撃の駒として控えるウーゴ・ヴィエイラや大津祐樹、オリヴィエ・ブマルがアクセントを加える。

マリノスで唯一の変化は、指揮を執るのがアンジェ・ポステコグルー監督ではなくピーター・クラモフスキーヘッドコーチになること。

 

 

 

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ポステコグルー監督は家族の容体が芳しくないため19日に一時帰国しており、この試合は一時的にヘッドコーチが采配を振るう可能性が高い。

指揮官の右腕としてチームを支えるピーターは、中澤佑二と同じ1978年生まれでも学年は一つ下の39歳だ。トレーニングでは主に戦術メニューの音頭を取り、監督の考えを選手に伝えていく。そして監督に対して意見することもできるポジションで、例えば和田昌士のボランチ起用を進言したのは他ならぬピーターである。

サッカーに対する情熱は熱く、知見も深い。と同時に日本文化にも興味津々のようで、十日町キャンプでの入浴前に温泉の効能について説明書きをじっくり読んでしまう実直さを持つ。コミュニケーション能力も高く、記者にも気さくに挨拶を交わすタイプの人間である。

試合前日、不在の監督に代わって囲み取材に応じたピーターは「試合当日は自分が責任を持って選手をピッチに送り出したい。最後は自分の責任だと思っている」と気合い十分だが、少しだけ硬い表情にも見えた。だからサポーターには是非、試合前のピーターへの応援をお願いしたい。監督は基本的に孤独な職業である。わずかな支えだとしても、みんなで背中を押してあげてほしい。

やるべきことは変わらない。マリノスらしいサッカーで、FC東京という壁を突破するのみ。ピーターとともに勝利をつかみ、ボスに朗報を届けたい。

 

 

 


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