「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「内容的には五分五分の部分もあった」という言葉を額面通り受け止めるのは難しい。指揮官は明確な指示や方策を与えるべきだろう [J20節 川崎戦レビュー]

何もできないまま、いや何もしないまま90分を終えてしまった。こんなにも内容が記憶に残らない試合も珍しいのではないか。記憶に刻まれるのは、試合後のブーイングくらいだろうか。

いつも毅然とした態度で取材に応じる飯倉大樹は「もっとマリノスとしての誇りを持って戦うべき」と指摘した。この言葉の捉え方は選手それぞれ違うのだろうが、こと今季に関して言えば『勇猛果敢』であるべきだ。勝っても、負けても、台風でも、相手が昨季王者でも、マリノスはいつも勇猛果敢でいなければいけない。

 そうでなかったことが、とても残念である。この日のマリノスはどこか腰が引けていた。まず高い位置からボールを奪いに行かない。相手がポゼッション能力に優れていることは百も承知。それでもアグレッシブにプレッシャーをかけるのがマリノスの姿のはず。勇気を持って全体を押し上げていたはず。しかし、その気概は微塵も感じられなかった。

『ハイプレス・ハイライン』はいつしか死語となった。飯倉のポジショニングは微修正ではなく、すっかり通常運転となり、最終ラインの設定も低く、そして前線からのプレッシャーもない。それなのに、あっさりと最終ラインの背後を突かれて先制点を献上。2失点目も、相手のパスやトラップを褒める以前に、あのエリアやコースを突かれていては話にならない。

前へ出ること、チャレンジすることをやめた瞬間、後には何も残らない。

 

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