「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「僕は自分の可能性を信じている。これでチームを去るが、みんなと同じように僕もマリノスを信じているし、応援しているよ」[ダビド・バブンスキー契約解除]

 

15日、マリノスはMFダビド・バブンスキー(24)との契約を、両者合意のもと解除することを発表した。マケドニア代表のバブンスキーは昨季開幕前に加入し、1年目は20試合に出場して3得点を決めた。2年目の今季はここまでわずか5試合と出場機会が激減。第8節・ヴィッセル神戸戦以降はリーグ戦のピッチに立っていなかった。

 

 

初夏の十日町キャンプでのこと。紅白戦の控え組に入れず、一人でピッチを全力疾走する背番号33がいた。フォーメーション練習でもメンバーから外れ、高卒ルーキーとともにピッチ外でフィジカルトレーニングに励む。不平不満を一切見せることなく、練習後は「お疲れさま」と笑顔を見せ、宿舎へ引き上げていった。しかし、その背中にはどこか哀愁が漂っていた。

出場機会が与えられない状況でも、常に全力でサッカーに取り組んでいた。その姿勢はまさしくプロフェッショナル。モチベーションを保つのが難しかったであろう当時の心境をこう振り返る。

「本当に難しい状況だった。でも、そこで腐ってしまうのは簡単。プロの選手として、そしてプロチームの一員である以上、しっかり取り組む姿勢を見せなければいけない。もちろん簡単ではなかったし、こういう状況で自分に何ができるのか葛藤した。その中で、チームのために自分のために、いつ周りから必要とされてもいいように取り組んだ」

 7月になってリーグ戦が再開しても出番は訪れない。連戦になってもベンチ入りすらできない。紅白戦やフォーメーション練習での立ち位置も変わらない。十日町キャンプ時点から事実上の構想外となっていたからである。

 

 

 

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