「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

中澤不在の最終ラインは、前節同様に3バック [J23節 鹿島戦プレビュー]

 

試合前日、中澤佑二が練習グラウンドにいない。左ひざ痛を抱えながらのプレーではあったが、ピッチに立てばプレーできるレベルのはずだ。

練習後、中澤について聞かれたアンジェ・ポステコグルー監督は「休ませる時期をずっとうかがっていた。この夏の移籍ウインドーで新たな選手が加入したこともあって、明日は休ませることができる」と明日の鹿島アントラーズ戦欠場を明言。来週以降の試合出場を見据えて室内での調整となった。

主将である前に、マリノスの伝統を体現する象徴的な存在である。どんな時もディフェンスラインで防波堤となり、守備文化をチーム全体に浸透させる役割を担っていた。しかしながら今季に入ってハイラインなど新スタイルに取り組む過程で、特にこの夏場の連戦での疲労蓄積は避けられない。

 

 

2013年の第14節・大分トリニータ戦から始まり、今季もここまで全21試合にフル稼働していたが、連続フルタイム出場記録は178試合で途切れる。先日の名古屋グランパス戦前、中澤はポステコグルー監督から今後の方針を説明されるており、すでにメンタル面のケアが行われていた。

 

 

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本人は「もちろん試合に出たいという気持ちはあります。でも判断するのは監督です。僕としては、チームが勝てればそれでいい」と話していた。

 中澤不在の最終ラインは、前節同様に3バックを採用。新加入のチアゴ・マルチンスが左センターバックとしてマリノスデビューを飾り、中央にドゥシャンが入る。そして栗原勇蔵が2試合連続で先発する。言葉の壁も含めてコミュニケーションや連係が万全のはずもなく、この3人が組んだのは試合前日の練習が初めて。それでも栗原は「結果はどうなるか分からないけど、二人(ドゥシャン、チアゴ)とも能力は高いし、楽しみ」と前を向いた。

中盤の形にも手を加え、アンカーを務める扇原貴宏の前に天野純と山田康太が並び、大津祐樹が1トップの伊藤翔をサポートする形に。ビルドアップ時の立ち位置が変わるだけに、試合の入りがより重要になるだろう。天野と山田が即興で作り出すコンビネーションやリズムが大きなポイントだ。

そして注目の久保建英がベンチに控える。マリノスでのトレーニングについて「ボールにいっぱい触れていい感じ」と好感触の様子。攻撃をギアチェンジしたい場面での起用が濃厚で、鹿島戦でデビューを飾る可能性が高そうだ。

チームは暫定ながら14位と苦しんでいる状況だが、明日はトピックの多い一戦となる。マリノスはいろいろな意味で新たな一歩を踏み出す。

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