大量得点というアタッキングフットボールのメリットを享受する一方、引き分けではなく黒星が増えるデメリットと私たちは向き合ってきた [J26節 浦和戦レビュー]
「ウチにチャンスがあった中で相手にもチャンスがあって、どちらに転んでもおかしくないゲームだった」(扇原貴宏)。互いに勝つチャンスのあるイーブンゲームで、飯倉大樹と西川周作がシュートストップの場面で高いパフォーマンスを見せた。だから引き分けが妥当な結果だった。そういった類の試合は、たった一つのミスやワンプレーで明暗がくっきり分かれるのがサッカーの常である。
今のスタイルにおいては、先制点が大きなウェイトを占めるのは言うまでもないだろう。実際にそのチャンスはあった。20分、浦和レッズの最終ラインを攻略した仲川輝人が放ったシュートはGK西川をかすめて右ポストを叩き、はね返りを詰めた遠藤渓太の決定的なシュートはゴールカバーしていた岩波拓也のブロックに遭う。もはや決め切れなかったという表現しか見つからない。
すると今シーズンのマリノスは脆さを内包しているため、どうしても苦しくなってしまう。「今のチームは取り切れないと踏ん張り切れない」(伊藤翔)。先制点を奪うのが理想だが、それができない時にスコアレスのまま試合を推移させられない。前半終了が迫った43分にセットプレーのこぼれ球を宇賀神友弥に決められてしまう。
後半に入ってビハインドを追うマリノスは当然、前へ出る。65分には大津祐樹に代えてウーゴ・ヴィエイラを投入し、システムを4-4-2に変更。この交代策は4分後に同点ゴールという形で結実する。天野純のパスに抜け出した遠藤の折り返しを、ウーゴが巧みなトラップとドリブルから流し込む。41,686人の観客に勝利を見せるため、狙いとする形で同点に追いついたまでは良かった。
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