「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

週明けのミーティングでボスは、選手だけで話し合う場を設けた。年長選手を中心にチームを思う言葉が発信された [J27節 磐田戦プレビュー]

 

 

指揮官が強調するウイニングメンタリティーは、どうすれば持ち続けられるのか。

唯一の手段は、結果を出し続けること。勝ち方を覚え、勝ち味を知り、勝つ重要性を心身に染み込ませていく。勝った試合でメンタル面に言及することはないだろう。勝てば、自ずと内容面の反省に目が向けられる。それが『勝ちながら反省する』という言葉の意味だ。

 ピッチに立てば誰もが勝利を目指し、さまざまな局面で全力を尽くしている。年齢もキャリアも関係なく、チームが勝利するために全員が100%の力を注いでいる。それでもサッカーは相手があるスポーツで、運に左右されるケースも多いのだが…。

重要なのは、勝つためのマネジメントとスタイルの成熟のみ。浦和レッズ戦後、アンジェ・ポステコグルー監督は「ただワクワクするとかアタッキングフットボールをやりたいとかではなく、これが勝つために一番近い方法だからやっている」と語気を強めた。ならば勝つためにマリノスのサッカーを貫くしかない。

浦和戦の失点シーンが象徴するように、残念ながら今季のマリノスは“安い”失点がかなり多い。これは組織と個人の両方に起因し、少なからずアンラッキーもあるのだが、いずれにしても守備力が低下している証拠である。悪癖というよりも、もはや傾向と言うべき事案。だから相手チームのチャンスの数で何かを語るのはナンセンスだ。

ポゼッション率やパス数、あるいはトラッキングデータで正当性を主張するよりも、リーグワースト2位タイの失点数(45失点)に目を向け、改善を図るべきではないか。さまざまなデータは勝敗と、付け加えるならば得点と失点を掘り下げたファクターでしかない。では、こんなにも失点が多い理由はなぜか。最も重要な課題から目を背け続けた結果が現在順位だろう。その処方箋がないのだとすれば「たしかにリスクは大きいけど、このサッカーとスタイルを貫く」と言ったほうが清々しい。

 

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