「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

4戦連続で相手は3バック。「3バックの相手に対してはポゼッションできる」と自信をのぞかせたのはインサイド寄りで相手を混乱に陥れる山中亮輔だ [J29節 札幌戦プレビュー]

 

 

 

今日発表された日本代表メンバーにマリノス所属選手の名前はなかった。

先月、追加招集ながら試合にも出場してA代表デビューを飾った天野純は実績ある海外組に押し出された形か。基本的にマイペースな性格なので大きく気落ちしているとは思えないが、内に秘めた闘志は相当なもの。この出来事を成長のきっかけにできるか。そして明日の試合で鬱憤を晴らしてほしい。

 気を取り直して、金曜日開催のコンサドーレ札幌戦である。「メンバーはそこまで変わらないと思う」(アンジェ・ポステコグルー監督)。5対2の完勝を収めたベガルタ仙台戦から先発に手を加える必要性がほとんど見当たらない。攻守ともに一定以上の評価をしているのだから、今晩から明日にかけてアクシデントがない限りは前節と同じ11人が先発に名を連ねるだろう。

好内容の2連勝で上昇気流を掴みつつあるが、選手たちに油断や慢心は一切見られない。むしろ「90分間ゲームを支配するのは難しい。仙台戦のように我慢する時は我慢。理想を持ちつつ、割り切って戦うことも必要」という天野の言葉が象徴するように、勝利や勝ち点3に対して現実的な言葉が多く聞かれた。

気がつけば残りは6試合のみ。もう好内容だけでは満足できない。内容を結果につなげる作業が肝要で、反対に言えばそれがシーズン序盤から中盤にかけての大きな課題だった。指揮官のマネジメントや采配が大きく変わったわけではないが、選手たちは少なからず危機感を持ってプレーしたことが結果として現れた。ネガティブなマインドではなく、勝つために何をすべきかが明確になってきた。

 

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もちろん戦いのベースとなるのは、1月から地道に積み上げてきたアタッキングフットボールである。それが最も効力を発揮するのが、相手が3バックの場面だ。浦和レッズ、ジュビロ磐田、仙台、そして今節の札幌戦と4戦連続で相手は3バックの陣形。「3バックの相手に対してはポゼッションできる」と自信をのぞかせたのはインサイド寄りで相手を混乱に陥れる山中亮輔。ボールポゼッションで試合の主導権を握れるのはほぼ間違いない。

あとは仙台戦で流れを作った仕上げを完遂できるかどうか。好調のウーゴ・ヴィエイラや仲川輝人には連続得点の期待がかかり、3トップで唯一不発に終わった遠藤渓太も「誰が見てもあとは自分のゴールだけだったし、そのゴールが大きな意味を持つことも分かっていた。今度こそ決めたい」と鼻息を荒くしている。

自信を持って臨み、さらに勝ち癖をつけること。日産スタジアムで勝利の凱歌を轟かせ、ルヴァンカップ準決勝に向かいたい。

 

 

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