地に足をつけたまま戦えたところに、2連勝中の余裕と自信が垣間見えた [J29節 札幌戦レビュー]
立ち合いがほぼすべてのゲームだった。
試合開始と同時に、マリノスにとって想定外の出来事が起きていた。コンサドーレ札幌が従来の3バックではなく、4バックを採用してきたのである。「正直、キックオフまで札幌はいつもの形でやってくると思ったので、4バックだというのはキックオフ直後にわかったこと」(アンジェ・ポステコグルー監督)。スタイルの完成度だけでなく、ピッチ内での対応力、修正力が求められるゲームに。
「試合が始まった瞬間に近くの選手とコミュニケーションを取った。5バック気味の相手にはインサイド寄りのポジションを取るけど、今日は少しタッチラインを意識するポジションにした」(山中亮輔)。最も特徴的なポジションを取る左サイドバックはこう話し、落ち着いた表情を見せた。3バックの相手に対しての効果的な位置取りをマスターしているからこそ、4バックへの対応も素早くできた。
この柔軟な姿勢がゲーム支配に一役買ったのは言うまでもない。7分に相手陣内でのボール奪取からウーゴ・ヴィエイラが惜しいシュートを放ったのを皮切りに、マリノスが押し気味にゲームを進める。直後の8分には左サイドからの攻撃で押し込み、最後はこぼれ球を山中が得意のミドルシュートで狙うも枠外へ。
21分にジェイの強烈なシュートで先制されたが、マリノスは気落ちすることなく攻めた。良くも悪くも失点に慣れてきたのだろう。中盤の底でポゼッションの軸となる扇原貴宏は「失点したけど点を取れる自信がみんなにある」と精神面を主張。その言葉どおり、失点から3分後に仲川輝人の2試合連続ゴールで同点に追いつく。
その後も試合を優位に進め、逆転に成功したのは42分のこと。左サイドで細かくパスをつなぎ、山中が天野純とのパス交換から左サイドを抜け出す。ひと呼吸置いて折り返したグラウンダーパスに反応したのはストライカーのウーゴだ。
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