練習の雰囲気は良好。カップ戦決勝に向けて周囲はやや騒がしくなりがちだが、選手たちは平常心 [J30節 G大阪プレビュー]
意識はどうしても来週27日のルヴァンカップ決勝に向いてしまいがち。ファイナルへの高揚感と言い換えてもいい。
しかし、まずは明日のガンバ大阪戦を良い形で終えたい。良い形とはつまり、良いパフォーマンスで良い結果を出すこと。ルヴァンカップ準決勝・鹿島アントラーズ戦を突破した勢いで、リーグ戦での連勝を『4』に伸ばす。これが当面のテーマとなる。
今週に入っての練習の雰囲気は良好そのもの。カップ戦決勝に向けて周囲はやや騒がしくなりがちでも、選手たちは平常心を保てているように見える。「目の前のJリーグに勝つことを目標にして、それが終わってからルヴァンカップ決勝に向けて気持ちを作っていきたい」(松原健)。来週になって選手の心境がどう変化するかは分からないが、少なくとも今週は自然体のまま練習に打ち込めていた。
練習グラウンドの変化はというと、ミッドウィークにレポートしたように伊藤翔の部分合流が最大のトピックだろう。とはいえ今日現在で対人練習は行っておらず、明日のガンバ大阪戦での復帰は非現実的。本人も「来週から合流して、ルヴァンカップ決勝戦で少しでも貢献できたら」と焦ることなく、着実に復帰への道を歩んでいる。
したがってスタメンは直近の公式戦から変更はなさそう。シーズン終盤に入り、チームはようやく一つの形を見つけた。スタメンとそれ以外の選手の優劣という意味ではなく、現時点での機能性に長ける11人がメンバー表に並ぶ。これは自然な流れと言っていい。
伊藤翔の負傷離脱によってウーゴ・ヴィエイラがストライカーポジションに入って以降、先発変更は出場停止のドゥシャンに代わって畠中槙之輔が起用された一点のみ。それも能動的な変更ではないのだから、この11人が現時点でのベストメンバーだ。メンバーを固定して戦い、結果が出れば、自信と練度はさらに高まる。そういったサイクルに入りつつある。
その状況で迎える明日のガンバ戦。ルヴァンカップ準々決勝で対戦した当時とは勢いが違い、ここへきてようやく本来の姿を取り戻してきた相手だけに一筋縄には行かない。カップ戦当時のように対策を練ってこないはずもなく、流動的なポジションでボールを動かすマリノスに対して何かしら手を打ってくるだろう。
相手はリーグ戦5連勝と勢いに乗っているが、アンジェ・ポステコグルー監督は「試合が楽しみだ」と普段通りの口調。マリノスが目指すスタイルとスタンスは変わらない。選手たちのコメントも自信に溢れている。まずは目の前の相手を倒すことに注力し、それが結果としてカップ戦制覇への勢いになれば最高だ。