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「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

松原健や大津祐樹も「まずはシンプルにテルの裏を使うことを意識している」と口を揃えた [ルヴァンカップ制覇への道 Vo.l.3]


前回からつづく

 

 27日のカップ戦決勝に向けてお届けしている短期集中連載『ルヴァンカップ制覇への道』。Vol.3の今回は、息の合ったコンビネーションで攻守両面を支える右サイドを取り上げたい。

 持ち前のスピードと得点能力でゴールを量産している仲川輝人、後方からの的確な球出しで起点となる松原健、そして自ら考えたポジショニングで守備を支える大津祐樹。ここへきて連係が高まり、存在感を増すトライアングルだ。

 攻撃のテーマは“脱・ウイング頼み”。3選手のあうんの呼吸が、マリノスをタイトルへ導く。

 


 

 

 左サイドで攻撃の中心となる天野純は、反対サイドの特徴についてこう語った。

「自分のサイドは時間と人数を使うけど、右サイドの攻撃はテル(仲川輝人)のスピードを生かすから直線的かもしれない」

 シーズン中盤からスタメンに定着し、ここへきてリーグ戦3試合連続得点と量産体勢に入っている仲川を生かさない手はない。出し手となる松原健や大津祐樹も「まずはシンプルにテルの裏を使うことを意識している」と口を揃えた。

 仲川のスプリント能力と敏捷性を活用し、相手のサイドバックとの11に持ち込む。端的に言うならば『ヨーイドンの勝負』でいい。仲川が一度下がるフリをして前方のスペースへ出て行く、いわゆる“チェックの動き”をするだけで相手サイドバックとの駆け引きを制し、簡単に突破できる場面も多い。

 顕著な例がルヴァンカップ準々決勝第1戦・ガンバ大阪戦の1点目だろう。大津祐樹の縦パスに抜け出した仲川が判断早くニアサイドに折り返し、伊藤翔が流し込む。指揮官が言うところの「デザインされたゴール」は、仲川の長所をチーム戦術に組み込んだことで破壊力を増した。

 

 

 シンプルな縦突破が難しい場合は、3選手がポジションをローテーションしながらパス交換し、その間に攻略するためのスペースを見つけていく。この動きについて松原は「約束事は特にない」と涼しい顔。綿密に練られた作戦があるわけではなく、状況に応じて個々がアドリブで動いていく。それがいつの間にかあうんの呼吸となり、コンビネーションに進化したというわけだ。

 それでも話を聞いていると、味方の動きとスペースができる瞬間を常に意識していることが分かる。

 

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「大事なのは、気付いた選手がスペースを埋めるということ。自分が中にポジションを取ったら祐樹くんが開いて受けてくれる。テルがタッチライン際ではなく中に入ったら、自分や祐樹くんが外に開く。今はそれが自然にできるようになった」(松原)

 昨季までのマリノスの攻撃は両ウイングに頼りがちで、複数の選手が絡むコンビネーションプレーは少なかった。特に右サイドにはマルティノス(現・浦和レッズ)というスピード豊かなドリブラーがいたため、松原の攻撃関与は少なかった。

 

 

 今は違う。「去年は頼みのマルちゃん(マルティノス)だった。去年よりも全員が攻撃に関われるようになった」と元来、攻撃好きの右サイドバックは目を輝かせる。決して目立たない役割だが、仲川の良さを引き出せるバイ・プレーヤーとして背番号27は欠かせない存在だ。

 その松原を最高の言葉で称賛したのは、右インサイドハーフとして地位を確立している大津だ。

「(松原)健が後ろにいるから自分は安心して相手ボールにアタックできる。常に犠牲心を持ってプレーしてくれて本当に助かっているし、目立たないかもしれないけどチームを支えてくれている」

 攻撃から守備へ切り替わった瞬間、大津は相手ボールに食らいついていく。持ち場を離れて出て行くのだからリスクもあるわけで、このスペースを後方でカバーするのが松原の役目。そして大津がプレスをかけて時間を稼いでくれるおかげで、仲川は自陣に戻って陣形を整えられる。

 連動した攻防一体で、チャンスを作り、ピンチの芽を摘む。3人は共同作業でマリノスの右サイドに新しい絵を描いている。

 

 

Vo.l.4へ続く)

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