「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「大人のゲーム」(俊輔)・「うれしくて試合が終わっていないことを忘れてゴール裏まで行ってしまった(笑)」(ファビオ)+優平・中澤・栗原他 [鹿島戦後インタビュー]-1820文字-


【試合を終えて】
樋口 靖洋 監督

「結果的には勝ち点1だったが密度の濃い、良い内容の試合ができたと思う。結果としては残念だが、この勝ち点1は必ず次につながる。お互いに経験豊かな選手が多いので、特に前半は相手の良さを出させないというところが目立った。後半はウチもシステムも変えたりして前へのプレッシャーを強め、オープンな展開から何度かチャンスをつくれたのが収穫だった。おそらく今日はセットプレーで決着がつくだろうと考えていたが、そのとおり得点も失点もセットプレーからのセカンドボールがゴールシーンにつながった。そういう意味でもこの結果についてはしっかり受け入れなければいけないゲーム内容だと思う」

MF 25 中村 俊輔

「相手の良さと自分たちの良さを互いに消しあった。消しあって終わった、みたいな。やっている側は『ここは我慢しよう』とか大人のゲームでやっていて面白かった。『無闇に飛び込まずに空中戦のあとのこぼれ球を狙う』とか。観ている側はベテランが多いのでスピーディーじゃなくて面白くなかったかもしれないけど(苦笑)。前の試合はロスタイムに失点して、今日は逆に得点した。この2試合でラスト5分の大切さが身に染みて分かったと思う。ファビオのゴールはデカい。前の試合は自分が入って失点したみたいなのもあったから気にしていたと思う。ファビオのゴールで雰囲気を良くしつつ、次に向かうのが一番。連戦になるとお互いの良さを消しつつミス待ちのようなゲームが増える。でも速攻のときに(齋藤)学なんかがいない分、前へ行く力がちょっと足りない」

DF 4 栗原 勇蔵

「この前の甲府戦と真逆。ギリギリで追い付いて勝ち点1を取った。やっぱり勝ちを狙っていたので引き分けという結果には満足できない。2試合で勝ち点2しか取れなかった。どちらかの試合を勝って、どちらか負けたほうが勝ち点は多い。攻撃で押し込むことができなくてチャンスが少ない。良いときは押し込むことができていた。今日もマチのヘディングがポストに当たったりしていて、それが入っていたら勝っていたときのような展開になっていたかもしれない。相手はブロックを作って守ってきて、あまりスキがなかった。その展開で失点して相手のペースになってしまった。相手のセットプレーは高さもあるし良いキッカーもいるので気を付けていたけどやられてしまった。今日の展開で失点したので勝つ可能性はだいぶ低くなったと思っていたけど、最低限の結果で終われたことで次につなげられる」

DF 22 中澤 佑二

「内容的にはどちらも集中した良いゲーム。球際が激しくて、玄人好みのゲームだったと思う。失点場面はすごいシュートを決められた。あれはしょうがない。あれを決める選手は世界でもそうそういない。鹿島は野沢が帰ってきたことが良いし、強いと思った。最終的にはロングボールばかりになったけど、今日はドローで悪くない結果。前回とは違うし、サッカーはそういうものだと思う。ファビオは試合前から元気がなくて、前回の試合のことを少し気にしていたのかもしれない。ファビオはヘディングが強いから、あのときは一緒に上がっていった」

DF 15 ファビオ

「セットプレーからいいボールが入ってきて、最初に自分が触ったと思う。そのあと相手選手も含めて何度がボールが浮く展開になって、自分のところにボールがこぼれてきた。一番必要なところでゴールが決められた。いろいろなゲームがあるけどどうしてもゴールが欲しい状況だったので嬉しい。自分が決めた初めてのゴールだったので嬉しくなって、まだ試合が終わっていないことを忘れてゴール裏まで行ってしまった(笑)。あの場面はセットプレーの状況だったけどボンバー(中澤)が上がろうと言ってくれたので上げれた。前の試合での過ぎたことは忘れて、ピッチに入るときはチームの手助けをすることだけ考えていた」

MF 20 佐藤 優平

「シュンさん(中村)の動きを見ながら動いて、シュンさんが上がったらボランチのところでバランスを取るような感じだった。もともとボランチなのでそういうことには慣れている。FC東京戦以来の出場であのときと場面は違ったけど、チームがなんとか勝ち点を取れてよかった。本当は勝ちたかったけど鹿島の守備も堅かった。監督からは『相手の裏を狙う選手がいないので裏に抜けていけ』と言われていた。相手は疲れもあったと思うので、とにかく走ろうと思った」

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