「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

今季喫した逆転負けは7試合目。今のままでは来季もタイトル争いは難しい [J34節 C大阪戦レビュー]

 

前半は一進一退の攻防ながら、シュート数とチャンスの数ではセレッソ大阪が上回っていた。マリノスのピンチにはGK飯倉大樹が立ちはだかり、複数のファインセーブで失点を回避していく。スコアレスで前半を折り返す推移は、試合展開を考えればまったく問題ない。

 すると後半立ち上がりの50分、マリノスに歓喜の瞬間が訪れる。左サイドでボールを持った遠藤渓太のパスを仲川輝人が受け、素早くターン。「シュートを打たなければ入らないし、点を取らなければ目標の二桁得点に乗らない。積極的にシュートを打っていこうと思った」という仲川が強引に放ったシュートはDFにブロックされたが、こぼれ球に天野純が反応してワンタッチで押し込む。

決してデザインされたゴールではない。コンビネーションというよりも、個の力を集結させてもぎ取った“泥臭いゴール”だ。マリノスのゴール裏へ走って喜びを表現した背番号14は「あそこにいないと点は取れない。あまり取ったことのない形でのゴールだったので、それは成長した部分かなと思う」と控えめに喜んだが、プロ5年目で初めてシーズン全34試合に出場した天野は、来季以降さらなるスケールアップが望めそうだ。

先制点の時間帯こそ違えども、前節のサガン鳥栖戦と展開は酷似していた。今のマリノスの課題はリードした試合をどう進めていくか。どんなにスタイルが確立されていても、試合運びを考えなければ勝ち点は伸びていかない。それだけでなく、有利な状況からの逆転負けは精神的なダメージも大きい

にもかかわらず、またしても悪夢は繰り返された。56分と61分に立て続けに失点し、あっさり逆転を許す。リードしているのになぜか中盤が間延びしてしまうのだから、相手にチャンスを与えて当然だ。鳥栖戦での逆転負けの教訓がまったく生かされていないと指摘されても仕方がない。

 

 

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