「僕は(仲川)テルくんが今年のMVP」(遠藤)・「オレの中では(飯倉)大樹くんの存在が大きい。大樹くんがいないと今のサッカーをやるのは難しい」(天野) [天野&遠藤対談(第2回)]
【天野純選手&遠藤渓太選手インタビュー対談(第2回)】
インタビュー・文:藤井 雅彦
写真:星 智徳
協力:横浜F・マリノス広報室
→前回から続く
今季、リーグ2位タイの56得点を挙げたF・マリノス。インサイドハーフの天野純とウイングを務める遠藤渓太は左サイドを幾度となく突破し、数多くのゴールに絡んだ。
スペシャル対談の第2回は、「攻撃の型と課題」を語り合ってもらった。そこには1年間積み上げてきたコンビネーションをさらに進化させるヒントが隠されている。
そして二人が考える今季のMVPとは――。
――「満足していない」が、お二人の率直な感想のようですが、そんな中で成長したと感じる部分もあるのでは?
天野
「チームとして左サイドを崩しての得点は多かったと思います。(遠藤)渓太はスペースへ流すパスが上手くなったよね。オレがハーフスペースへ走り込んだ時、渓太から斜めのパスがいいタイミングで出てくる回数が増えた。余裕が出てきた雰囲気もあるけど、自分ではどう感じているの?」
遠藤
「DFにプレッシャーをかけられている状態でも顔を上げる余裕が出てきたので、(天野)純くんのランニングが視野に入るようになりました。それと試合のなかでの最初のドリブルが成功すると、その後のプレーにも余裕が出てきます。自分の特徴はスピードでもあるので、相手は間合いを詰めにくくなっているのかもしれません。あとは感覚で『このあたりにいてくれるだろう』という信頼を持ってパスを出している部分もあります(笑)」
天野
「自分と渓太だけでなく、そこにヤマ(山中亮輔)も絡んでくることによって、いろいろな攻撃ができているよね。それぞれの選手が複数の選択肢を持っているだけでなく、オーバーラップも外側と内側を使い分けることができているので相手は的を絞りづらい。3人でプレーしている時間が長いので、阿吽の呼吸のようなものは出来つつあります」
――それは左サイドの選手たちによって作られたコンビネーションですか? それともチームとしての狙いが形になっている?
天野
「両方だと思います。左サイドにいる選手たちの特徴が合わさった結果でもあるけど、監督がデザインしているビルドアップからのフィニッシュを体現しようとする時に、左サイドからの攻撃は一つの“型”として確立されてきたと思います」
――攻撃の型としてパターン化されているメリットとデメリットをどのように分析しますか?
遠藤
「攻撃していく上で、ある程度の“型”を持つのは大事なことだと思います。実際にそのパターンから得点している場面も多いわけですから。ただ、それだけに固執してはいけない。相手があってこそのサッカーなので、対策を練られたら何か違うバリエーションを持たなければいけません。選手個々の判断が重要になると思いますし、大事なのはプレーをフィニッシュで完結させることだと思います」
天野
「コンビネーションでサイドを突破し、速いタイミングでクロスを上げる。そしてストライカーがニアサイドに飛び込み、反対サイドの選手も詰める。この形は機能しています。でも個の能力が高い選手、チームと戦う場合は即興性も必要になってきますし、相手が驚くようなプレーをしなければ得点できません」
――プレー選択がワンパターン化しているように感じることもありますか?
天野
「僕のポジションであればミドルシュートやロングシュートも頭の中にあります。でもゴールから遠い位置だと、ウイングが動き出していることが分かっているので、どちらかといえばパスを優先してしまうところはあります」
遠藤
「純くんからのパスを受けてサイドを突破してからは、自然とクロスを選択するようになっているかもしれません。シュートを打てる場面でも、チームとしての戦い方が体に染みついてラストパスを先に考えているというか…」
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