「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

【無料記事】9月23日 練習試合 横河武蔵野FC戦レポート

 

雨中の躍動

退場者を出しながらもアウェーで鹿島に勝利して連敗を止めた翌日、マリノスタウンでBチームがJFLの横河武蔵野FCと練習試合を行った。

1本目はGKが飯倉大樹、4バックが右から喜田拓也(ユース3年)、斉藤海(ユース1年)、金井貢史、比嘉祐介。ボランチが中町公祐と狩野健太、右サイドハーフに松本翔、左に松本怜。トップ下に森谷賢太郎、1トップに大黒将志。レギュラー組と同じ、4-2-3-1のシステムが採用された。

結果は8-0(1本目3-0、2本目5-0)。

小雨の降り続く中、試合開始直後からマリノスがボールを完全に支配。先週に続き中町がパスワークの中心となり、森谷と松本翔がキレのある動き出しでブロックの内側に顔を出す。サイドからは松本怜と比嘉が中に入って絡み、ワンタッチ、ツータッチのパス交換で横河の守備を切り崩した。1トップの大黒は常にウラのスペースを窺い、CBの金井は全体をコンパクトに保ちつつビルドアップでも貢献。Bチームとは思えないほど質の高い、連動性と即興性に富んだハーフコートゲームが展開された。

20分、狩野のCKにニアサイドの大黒がヘッドで合わせて先制。27分にも狩野のショートコーナーのクロスから中央の中町が頭で決めて、2-0。直後の28分には森谷のスルーパスに、大黒が前に出たGKの頭上を抜くループを決めて、3-0。ゴール以外でも質の高いチャンスを多く作り、1本目を終えた。

 

松本怜、FWとしての覚醒

2本目はGKが鈴木椋大に代わり、他は1本目と同じ布陣。20分に大黒に代わり汰木康也(ユース2年)が入り左SHに。松本怜が1トップに入った。32分には森谷に代わり武颯(ユース2年)が入り、松本怜と2トップを組んだ。

2本目も横河をポゼッションで圧倒し、チャンスを量産。22分、狩野のループパスに汰木が反応しエリア内でシュート。GKが弾いたボールに松本怜が詰めて押し込む。24分には右サイドを突破した松本怜がドリブルでカットイン、エリア外から左足を振り抜きゴールに突き刺す。31分にも松本怜がエリア外から強烈なミドルをゴール右スミに決め、10分間でハットトリック達成。

33分、狩野のパスをエリア内で受けた汰木が今度は冷静に決めて 4-0。38分には左サイドに流れた松本怜のマイナスのクロスを中央に走り込んだ松本翔がスライディングボレーで決めて、5-0。雨足の強まった2本目もゴールを重ねて圧勝した。

 

【Players Pick Up】

 

大黒は1トップで65分間プレー。相手DFの視界から消えてウラを取る動き出しで、2得点以外でも多くのチャンスに絡んだ。先週の練習試合は出場せず、鹿島戦には帯同も許されなかった。現在レギュラーチームが採用する、4-2-3-1の布陣で居場所を見出すのは難しいが、ストライカーとしての得点感覚は今なお研ぎ澄まされている。

松本怜は左SHとして先発。1本目は中央に入ってビルドアップに絡みつつ、ドリブル突破で局面を打開した。大黒が退いた後はFWに入り、エリア内でこぼれ球を押し込み、左右両足で強烈なミドルシュートを叩き込んだ。スピードという最大の武器を生かしつつ豊富な得点パターンを見せ、充実振りをアピールした。

CBでフル出場した金井はDFラインを高く押し上げ、相手FWへのクサビのパスに積極的にアプローチ。全体をコンパクトに保ちセカンドボールを拾い、マイボール時はハーフウェイラインを越えてビルドアップに絡み、時にチャンスに直結するパスを供給。改めてゲームの流れを読む、マルチな能力の高さを実証した。

松本翔は右SHでフル出場。1本目は非常にキレのある動き出しと豊富な運動量で、相手守備ブロックの内側に顔を出しパスワークに頻繁に絡んだ。2本目はサイドからラインのウラに抜け出す動きで決定機を得て、2度はゴールに嫌われるも、3度目のチャンスでは結果をだした。

森谷はトップ下で起用され、最も得意とする「相手守備ブロックの中で細かな動き直しを繰り返し、前を向いてボールを受け、そこから局面打開のドリブルやパスを繰り出す」プレーを繰り返した。先週・今週の紅白戦ではレギュラー組でも起用されている。森谷の良さを最大限発揮できるシステムとポジションで、チャンスを掴みたい。

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