「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

(中澤選手の引退は発表で知ったのか?)「どちらかというとそう。だから『マジか』と思った。『1ミリも悔いはない』と言っていたけど、オレの中では絶対そうは思わない」(栗原) 他 [始動日、選手コメント]

 

[コメント]

DF 栗原 勇蔵

――中澤選手から何か伝えられたことは?

「特にない。そういうことを(中澤)佑二さんにされたことは、プレーのこととかも含めて、一度もないと思う。ただ、ずっとあの人の背中を見てやってきただけで、それで十分だった。だからあの人が託したいことはある程度わかっているつもりだし、今後どうなるかはわからないけど今のところそういうのはない」

 

――本人から直接連絡を受けたわけではなく発表で知った?

「どちらかというとそう。だから『マジか』と思った。ただ、記事でも見たけど『1ミリも悔いはない』と言っていたし、そこに関しては『お疲れ様でした』と言わないといけないけど、オレの中では絶対そうは思わない。まだまだやりたかっただろうと思うし、意地というかそういう意味であの言葉を残したんじゃないかと思う」

 

 

――納会の時にはどんな話をした?

 

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「いろいろ(笑)。今後についてもそうだし、マリノスがどうしていくべきかという話もできた。将来像というか、佑二さんが何をやりたいかとかも多少は話ができた」

 

――栗原選手から見ても「まだまだやれる」と感じた?

「もちろんまだまだできるというのはオレが言うまでもなくて、膝の状態が悪くなければもっとやれただろうと思う。あんなにサッカーが好きな人はなかなかいないわけで、それをスパッとやめられるとは到底思えない。誰よりもサッカーのために生きている人だから。プレーをすることがすべてではないかもしれないけど、選手であるということはサッカーが好きな人にとっては一番のことだと思うので、それをああいう言葉で表したのは、あそこだけは嘘をついていると思う(笑)。最後の終わり方も本望ではなかったと思う」

 

――長く一緒にプレーしてきた中澤さんとのエピソードは?

「いっぱいありすぎる。わからないけど一番、一緒に試合に出たのはどの選手よりもたぶんオレなんじゃないかと思う。闘莉王さんとかマツさん(松田直樹)とかもいたけど、その人たちよりも一緒に出ている可能性がある。佑二さんみたいな人と長いこといっぱいやれたことは誇りに思っている。それによって自分も代表に入れて、お金をたくさんもらえるようになったので感謝している(笑)。プレーに関してはずっと感心というか、隣で見てもすごいなと思ったことはいっぱいある。マリノスの失点が少なかったのは絶対的に佑二さんのおかげ。他のチームの良いDFでも点を取られた後は集中が切れたりするけど、あの人が一番すごいところって1点取られようが2点取られようが、それ以上はやられないという気持ちがどのDFよりも強いところ。だから無駄な失点も少なかったし、そこは本当にすごい。簡単そうで本当に難しいこと。最後まであきらめないというか、それ以上、失点しないという気持ちで90分間、毎回やっていたので、それにオレらはついていっていただけ。本当にすごいなって思う。すごいところはもっといっぱいあるけど、そこが圧倒的に他の選手とは違うなと思う」

 

――中澤さんがやっていたことを担っていきたい?

「嫌でもそう言われるけど、そんなことは佑二さんがいてもやっていなければいけなかったわけ。それができていないからそう言われるのかもしれないけど、もう35歳だしね。今年36歳で。佑二さんがいなくなったからチームを引っ張っていくとかいうのはどうなんだろうと思うし、いまさらオレがやることでもない気がする。でもチームがそれで良くなるのであれば佑二さんがやっていたことを少しでもできれば。でも今から伸び盛りの24~25歳の選手ではないし、佑二さんがいなくなったからどうのこうのっていうのは正直ない」

 

――栗原選手自身はどんな1年にしたい?

「チームのことばかり考えるんじゃなくて、それこそチームのためになるのはまず試合に出ることだと思う。そういうところでまず貢献したいのが一番。そのほかはプラスαでできることをやればいいと思う。それができなかったらできなかったで、チームが良くなることをやっていければ」

 

 

GK 飯倉 大樹

「ボンバー(中澤佑二)のことを言葉で表現するのは難しい。一緒に長い時間プレーさせてもらって、言葉なしで分かり合える存在だった。ロッカールームで若手をイジる光景がなくなったのが不思議な感じ(笑)。誰かがチームを引っ張っていかないといけないけど、それは20代後半の選手に任せたい。自分はその土台となる部分をサポートしたい。今年は去年と違って、やることが分かっている。その中で、より結果にこだわるということ。勝つための戦術ということを忘れてはいけない。勝者のメンタリティをチームに植え付けていきたい」

 

 

MF 天野 純

「やっぱり優勝したい。タイトルを獲らないとみんなの記憶に残らない。個人的には10ゴール10アシストくらいの結果を残したい。これからは自分がマリノスの象徴になるくらいの選手になりたい。でも初心を忘れずにやることも大事なのでバランスを考えたい。(中澤)佑二さんがいないグラウンドは考えられなかった。今日もちょっと物足りないと感じた。経験豊富でマリノスに貢献してくれた選手がたくさん抜けてしまった。今年も難しいシーズンになるかもしれないけど、下馬評は低いほうが戦いやすい。2年目のアタッキングフットボールで観ている人をあっと言わせたい」

 

 

DF 広瀬 陸斗

「緊張はあまりしなかった。(杉本)大地は徳島で一緒にやっているし、畠中は同年代なので代表で一緒にプレーしていて知っている。自分の特徴は飛び抜けた特徴がないこと(笑)。得意なプレーは上下動。ライバルどうこうよりも自分のプレーを出してチームに貢献したい。去年のマリノスのサッカーは少し観た。徳島でもボランチやトップ下をやっていたので、あまり違和感なくできると思う。J1でプレーできることが一番重要だった。歴史と伝統のあるビッグクラブでプレーできるのが楽しみ」

 

 

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