「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「4-4-2をモノにした感じがある。しびれるね。」(冨澤)・「タマさんが右に蹴るのが得意なのは知っていた。8年前の情報だけど。」(小林)+他 [名古屋戦後インタビュー] -2,670文字-

【players voice MF 27 富澤 清太郎】

――スタートは小椋、後半途中からは中村とコンビを組んだが

「オグ(小椋)は前へ出てボールを奪う感覚が人よりも長けている。自分は後ろからそれをサポートしていく形だった。ボールにはあまり絡めなかったけど、バランスを取ることを意識していた。シュンさん(中村)と組んでからも距離感だけを意識した。ボールを持てる選手なので、一緒にやっていて楽しかった」

――守備は良かったが、攻めあぐねていた印象もある。

「相手のCBは素晴らしい選手なのでが最後のところでなかなか攻略できなかった。でもCKを何本か奪って、そこから得点につなげることができたそのために前半からジャブを打っていて、それが効いた結果でもあると思う」

――終盤もきっちり守りきった

「最初の失点もPKだし、ミスのところを反省すればいい。最後の時間帯にリードしていれば相手は高さを押し出して攻めてくることは分かっていた。だからドゥトラには『あまり上がらないで』と伝えた。相手のパワープレーに対してはディフェンスラインに入ってはね返すプレーもできたと思う」

――カウンターも効果的だった

「2点目もそうだけど、終盤はマルキが楽しそうにやっていた。[4-4-2]だけどワイドに開いてカウンターを狙うプレーは鹿島時代にやっていたような感じだったし、面白いようにキープしていた。見ていて頼もしかった」

――システム変更への適応は?

「ウチは前の試合からシステムが変わって、マインドや考え方を[4-4-2]に切り替えた。でもそれをやるのに前の1試合かかってしまったので、まだまだ未熟と感じている。ちょっとしたことでバランスが変わって、役割も変わってしまう。システムが変わってもそれを保てないといけない。でもこれで[4-4-2]もモノにした感じがある」

――何より、勝ったことが大きい

「出場停止の選手がいて、代わりに入った選手が活躍した。それに最後はああいう勝ち方だから、波に乗るきっかけになる。デカい。しびれるね」

 

【players voice DF 13 小林 祐三】

――2点目のカウンターの起点になった

「テツさん(榎本)がボールを取ったあと、自分の前にスペースがあった。そこにいいスローインが出てきた。マーカーのタマさん(玉田)はレイソルで一緒にプレーしたことがあって、ああいう場面で人についていくのがあまり好きではない選手なのでチャンスになると思っていた。相手の人数を数えて、できるだけドリブルで運ぼうと思った。あのまま縦に行きたかったけど行けなかった。でもあの切り返しはプロに入って初めてやったかも(笑)。そのあとはマルキがいいポジションをとってくれた。組織立ったカウンターで無駄がなかったと思う」

――榎本のPKストップについて

「止めるオーラがあった。普段からPKは止めてくれと願っているけど、こんなに願ったことはない。神様がいるなと思った。タマさんはあっち(右)に蹴るのが得意なのは知っていたけど、それも8年前の情報なのであえて言わなかった。でも結果的に本当にあっちに蹴った。それより今日はもったいない失点の仕方だった。今日はゼロで抑えないといけない試合だったと思う」

 

【試合を終えて】
樋口 靖洋 監督

「まず試合を振り返る前に、監督が最後までピッチにたてなかったことを深く反省したいと思います。試合はここ4試合なかなか勝ち点3が取れていなかったが、試合前には今日は流れを変える重要な試合と宣言して臨んだ。名古屋は個々の能力が高いのでオープンなゲームでは難しい。ウチはコンパクトにしてクローズしながらゲームを進めなければいけなかった。それと名古屋はここ数試合の中では一番コンパクトに戦っていたので難しいゲームになった。その中で2点目のカウンターだったり、(齋藤)学のドリブルでチャンスを作れた。判定についてはノーコメントです。榎本は試合前日にマルキやシュン(中村)のPKを何度も止めていた。気迫のこもったセービングを見せてくれて感謝している」

GK 1 榎本 哲也

「実際に勝てていないのもあるし、それよりも勝っているときも、ナビスコも含めて10何試合でチームに貢献した感じがなくて、自分の中でモヤモヤしていた。そうしたら昨日、シゲさん(松永GKコーチ)が部屋に呼んでくれてGKの話をしてくれた。だから今日はそのあとにゲームに入った。PKとはいえチームに貢献できて自分としてはうれしい。1本目のPKのときは自分に迷いがあった。でも2点目は時間帯も最後だったし、相手は得意なほうに蹴ると思った。たまたまだけど。右か左かは確率2分の1だから。思い切り跳ぼうと思って、それが当たった。監督が退席処分になったりして、その間に集中できた。自分に発破をかけて、自信をつけることができた。監督が時間を作ってくれたことが良かったのかもしれない。チームとしてこの試合で流れを変えようと話していた。この勝ちを今後につなげたい」

MF 6 小椋 祥平

「(PK献上について)足は少しかかった。オレのはしょうがない。勝ったから言えるけど、テツさん(榎本)にはオレが与えたPKを止めてほしかった(笑)。今日はカンペーさん(富澤)と組んだので前へ思い切り出て行けた。でもそれを得点につなげることができなかった。ボランチが相手のボランチにプレッシャーをかけるのがウチのやり方。高い位置でボールを奪ってチャンスにつなげる狙いだった。トップ下の玉田さんのことを気にしながら積極的に前へ出た。」

MF 7 兵藤 慎剛

「名古屋は個々の能力が高いのでタフなゲームになると思っていた。最後に止めてくれたテツくん(榎本)に感謝したい。(得点について)(齋藤)学がつってくれて、相手DFが流れていった。それでマイナス気味のポジションで止まったらマルキがいいボールを出してくれた。ラッキーゴール。チーム全員で取ったゴールだと思う。この前と違って勝ちにつながるゴールを決めることができて良かった。でもプレー全体では反省するところも多い。今日はテツさん(榎本)のセーブも含めて気持ちで勝った試合」

DF 22 中澤 佑二

「テツ(榎本)のスーパーセーブのおかげもあって、これでチームに流れが来ると思う。相手はセットプレーに対して特殊な守り方をしているけど、これまでなかなか失点していない。でもウチがこれまで勝っていたときはセットプレーがポイントになっていた。あの1点が大きかった」

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