「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

前半のピンチを結果的に無失点で防いだことが最大の勝因。GK飯倉大樹が素晴らしい働きを見せ、その我慢が41分の先制ゴールを呼び込んだ [Lカップ4節 湘南戦レビュー]

 

直近のリーグ札幌戦から飯倉大樹、天野純、畠中槙之輔、そして三好康児の4選手が先発に名を連ねた。現行スタイルを体現する上で欠かせないセンターラインの主力選手ばかりで、それだけでもこの試合に賭ける本気度が伝わってきた。

反対に言えば、グループリーグの過去3試合は、やはりどこか甘かった。リーグ戦との連戦を考慮してメンバーを多少落とすのは仕方ない面もあるが、あらかじめ決めている交代策だけで90分を戦うのでは後手を踏んだ時に苦しくなる。

この試合に関して言えば、前半のピンチを結果的に無失点で防いだことが最大の勝因だろう。ミスも絡み、被決定機の数は少なくなかった。相手のシュートミスに助けられた側面もあるが、GK飯倉大樹が素晴らしい働きを見せたのも事実。その我慢が41分の先制ゴールを呼び込んだ。

内容については、満足できる出来ではなかったかもしれない。走力とハードワークを基調とした相手の土俵に乗り、マリノスも武骨に戦った。局面での攻防は見ごたえ十分も、本来目指すべきビルドアップからの攻略は数えるほどしかない。

それでも「勝ったことが一番の薬」(天野純)。4日前に札幌で悪夢のような完敗を喫したチームには、勝ち点3が必要だった。交代カードも扇原貴宏、仲川輝人とテスト要素の低い本気モードで、ドゥシャン退場後は応急措置として松原健をセンターバックで起用する執念も見せた。

ピッチ上の選手は“勝つため”の方法論を実践した。

「今日はチーム全体で相手を見ながらサッカーができた。相手が前からプレッシャーをかけてくることは分かっていたし、実際にガンガン来た。でも自分たちの前と相手の後ろが同数の状況だったので、無理に中盤で勝負する必要がなかった。シンプルに前へボールを送って、そこに自分や(三好)康児が絡めばチャンスになる。少しアバウトでも前へボールを出す戦い方は意思統一してできたと思う」(天野)

「自分たちの内容よりも勝つことにフォーカスした。今日の相手のようにプレッシャーをかけてきた場合は、相手をひっくり返す意味でもロングボールは必要。特に監督からの指示ではないけど、前半から何本かに1本はロングパスを蹴った。ボールをつなぐことは大事だし一人ひとりが受けに来ているけど、その次のプレーを考えるというところには課題もある。縦パスを入れた後のアクションがないといけない。今のサッカーをするためにリスクヘッジとしてロングボールを使うことも大事」(飯倉)

 

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