「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

逆転弾となる決勝ゴールは82分。相手陣内に入ってすぐの右サイドでボールを持った広瀬陸斗の視線の先には背番号9がいた [J9節 鹿島戦レビュー]

シュート数16対5やCK数14対3というスタッツを見れば、いかにマリノスが相手を押し込んでいたかが分かるだろう。特に後半のそれは圧倒的で、ほとんどの時間を鹿島陣地で過ごした。

ただし11分という比較的早い時間に先制を許し、試合展開やスコア推移としては決して簡単なゲームではなかった。自陣でのボールロストからサイドを突破され、最後はGKパク・イルギュも防ぎきれず。1-0で折り返した45分間を鹿島の伊藤翔は「前半はバッチリだった」と手ごたえ十分に振り返った。

それでも後半の逆転劇につながったのは、ビハインドながらも前半からマリノスが攻めの姿勢を崩さなかった点にある。序盤から左サイドを起点に、鹿島陣内に攻め込む。左ウイングの遠藤渓太はタッチライン際に開くだけでなく、インサイド寄りの位置でボールを受けることで相手のマークを絞らせなかった。

決定機こそ作れずとも、遠藤に天野純や和田拓也が絡んでいくオフェンスはボディブローのように鹿島を追い詰めていった。自陣に引いて最終ラインと中盤で4-4のブロックを作る相手に対し、辛抱強く丹念に攻略を試みる。カウンターを警戒して2失点目を与えなかったこと、そして粘り強い攻撃が後半につながった。

 

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