「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

前半に放ったシュートはわずか1本。しかし、その1本のシュートをゴールに結びつけた選手がいる。仲川輝人だ [J10節 広島戦レビュー]

すべてを思い通りにゲームを進められたわけではなく、むしろ広島のゲームプランが奏功していた感が強い。中央とサイドを上手く組み合わせた相手の攻撃は速く、鋭く、高いディフェンスラインの背後を執拗に狙われた。

前半から数多くのオフサイドを取ったマリノスだが、その多くは紙一重だった。畠中槙之輔とチアゴ・マルチンスを中心とした最終ラインは安定しており、オフサイド獲得後にはアンジェ・ポステコグルー監督が拍手を送る場面も。一方で、同じタイミングで広島の城福浩監督も拍手する様子があり、相手にとっても悪くない出来だったことが見て取れた。

マリノスのボール保持の時間こそ長かったが、広島ペースで進んだ前半に放ったシュートはわずか1本。相手陣内でのパスが少しずつズレたことで、フィニッシュサードまで持ち込むことができなかった。しかし、その1本のシュートをゴールに結びつけた選手がいる。仲川輝人だ。

34分、マルコス・ジュニオールがボールを持って前を向くと、斜めの動きでラストパスを引き出す。スペースでボールを受けた仲川はファーストタッチで縦方向へ侵入し、GKを置き去りに。角度のないところからのシュートは戻って来たDFに当たってゴールネットを揺らした。

これで前節の鹿島戦に続く2試合連続ゴールとなり、今季3点目。開幕戦以降はゴールに見放されていたが、その間もチャンスは数多くあった。一度封を切れば立て続けに決められる、そんな雰囲気のある選手だ。そう、まるで買ってきたばかりのケチャップのように。

今季通算は3ゴール5アシストと順調に数字を伸ばし、チーム総得点の半分以上に絡んでいる。目標に掲げた自身の背番号と同じ23得点というハードルはちょっと高すぎかもしれないが、ゴール+アシストの“23得点関与”は十分に視野に入る。

もう一人、勝利の立役者を挙げるならば、GKパク・イルギュをおいて他にいないだろう。

 

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