「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

7得点のマルコス、6得点のエジガル、5得点の仲川に目を奪われがちだが、攻撃カルテットを形成する背番号11の貢献も見逃せない [J14節 湘南戦レビュー]

先制点の伏線は、マリノス最初の決定機にあった。立ち上がり間もない6分、右サイドでボールを持って前を向いた仲川輝人が対面のレレウをかわし、縦方向へ侵入。最終ラインとGKの間を狙ったグラウンダークロスは惜しくも味方に合わなかったが、オフェンスに特徴を持つ相手とのマッチアップで優位に立っていたことが垣間見えた。

すると12分、狙い通りの素晴らしい得点が生まれる。チアゴからのスイッチを入れるパスを受けたマルコスは相手のプレッシャーを受けないエリアで前を向き、すかさず仲川の前方にあるスペースへボールを送る。ボールウォッチャーになっているレレウの背後を突いた仲川はフリーでクロスを送り、今度はエジガルにピタリと合った。

起点となったマルコスは「あのシーンはコーチングスタッフがスカウティングしてくれて、スペースが空くことが分かっていた。それを頭に入れて試合に臨んでスルーパスを出した」とニヤリ。アシストした仲川も「湘南相手にあのスペースをチームとして狙っていた。中央でマルコスがボールを受けていいボールを出してくれた」とマルコスに似た趣旨の言葉を発していることからも、事前のスカウティングがしっかり実った先制点といえるだろう。

ただ、その後は湘南ベルマーレの出足鋭いプレスに苦しんでなかなか主導権を握れない。さらに追い打ちをかけるように、喜田拓也とともに中盤を支えていた扇原貴宏が右ひざを負傷。相手選手が接触プレーで倒れ、その全体重を右ひざで受け止めるような形で転倒してしまった。扇原はプレー続行不可能となり、交代を余儀なくされる。試合後は松葉杖を使っており、今は重傷ではないことを祈るのみだが…。

 

 

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