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「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

ホームで仙台を叩く価値 [J12節 仙台戦プレビュー] (藤井雅彦) -1,717文字-


水曜日に行われたナビスコカップ第6節・ジュビロ磐田戦に引き続き、ベガルタ仙台戦もベストメンバーで臨むことになりそうだ。磐田戦をスタンドから見守った樋口靖洋監督はあらためて[4-2-3-1]の機能性を実感したという。平面のベンチからでは見えないことが俯瞰することで見えた部分もあるのだろう。「良いときと悪いときに起きる現象が見えた」と収穫を得た様子。[4-4-2]をオプションとして備えながらも、やはりこのチームのベースは[4-2-3-1]だ。

心配された一部選手のコンディションもどうやら問題ない。不安の種は磐田戦で負傷交代したマルキーニョスの状態だが、試合前日の時点で「痛みも不安もない。いまの状態であればフル出場も問題ない」と出場へ意欲を見せ、練習も通常通りこなした。試合当日に問題がなければ1トップとして古巣との一戦に臨むことになる。

対する仙台はメンバーが不透明なところもある。そんな矢先、試合前日にウイルソンの出場停止の報が舞い込んだのはマリノスにとってはプラスだろう。中村俊輔は「ウイルソンは調子を上げてきているし、去年の良いときよりも状態はいいんじゃないか。縦に速い日本のサッカーにも慣れてきていると思うので注意しないといけない選手」と警戒選手に挙げていたが、JリーグではなくAFCの規定により出場停止となる。

ウイルソンに限らず、中心人物のリャン・ヨンギの出場可否も不透明だ。第10節・名古屋グランパス戦で右足首を痛めた模様で、前節の第11節・大宮アルディージャ戦は強行出場したものの状態が芳しくないという。リャンについて「ラストパスの精度が高い」と樋口監督。セットプレーのキッカーを務める重要人物が欠場する場合、代役は松下年宏になるだろう。

攻撃の二枚看板を欠く可能性のある仙台だが、マリノスは赤嶺真吾に3年連続でゴールを許している。点を取れるポイントにポジショニングするストライカーに大苦戦。相方となるであろう柳沢敦には京都サンガ時代にスーパーゴールを許した苦い過去があるように、ウイルソン不在が追い風になるのは彼らをきっちり抑えたときになる。

日程的にはマリノスが明らかに不利だ。ミッドウィークにカップ戦が行われたマリノスは明らかに消耗している。3月の連戦時とは様子が明らかに異なり、疲労を口にする選手が増えている。中村俊輔や中澤佑二などは負傷を抱えながら試合をこなしており、連戦になれば余計にリスクが高まる。とはいえナビスコカップも決勝トーナメント進出に向けて佳境を迎えているため休ませるわけにもいかない。台所事情は厳しいが、中断期間までの公式戦3試合を主力クラスでどうにか乗り切るしかない。

そんな状況下で期待したいのは、リーグ戦では久しぶりの先発出場濃厚の齋藤学、そして名古屋戦が出場停止だった中町公祐あたりか。前者は磐田戦でもドリブルシュートを決めており、「内容は良くなかった」とはいえコンディションは確実に良化している。迷いなくプレーした際の齋藤の切れ味はすさまじい。仙台の堅い守備を切り裂く鍵は齋藤のパフォーマンスが握っている。

さらに中町が攻守にどれだけの存在感を見せるか。「出場停止だった自分は疲れていない」という言葉を体現するように磐田戦では爽快なパフォーマンスを見せた。出足鋭いインターセプトと当たり負けしない体幹の強さ、さらにボールを奪ってからは前への推進力をもたらす。トップ下・中村を利して輝くボランチはチームに欠かせない戦力となった。こちらもまた、仙台のブロックを崩すために攻撃にアクセントをもたらしてほしい。

試合前日の移籍関連報道に選手たちは困惑するかと思いきや、冷静な様子で試合に備えている。かつてのマリノスであればフロントも含めて浮き足立っていたに違いない。いまの選手たちは置かれている状況、つまり仙台戦の重要度をよく理解している。

「戦術的にも能力的にも仙台はしっかりしているチーム。でもウチも去年よりも成長しているので、おもしろいゲームになると思う」

 中村のコメントはいまのチームに対する自信の表れともとれる。名古屋戦での榎本哲也のビッグプレーで息を吹き返し、磐田戦での完勝によって勢いを強めた。この波をさらに大きなものにするためにはホームで仙台を叩かなければならない。

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